「海上保安庁を受けたいけど、体力試験が不安……」
運動が苦手な方は、体力試験(体力検査)のことを考えると気持ちが重くなってしまいますよね。
しかし、実は海上保安庁の体力試験で求められるのは、アスリートレベルの体力ではなく、基礎的な体力があるかどうかだけです。
種目はたった3つしかないため、正しい方法で3ヶ月準備すれば、運動経験に不安を抱えている方でも十分に合格ラインへ届きます。
本記事では、最新の合格基準・種目別のトレーニング方法・よくある失敗パターン、試験当日に気を付けたいことまで、体力試験対策について詳しく解説します。
何をどのように準備すればいいのかスッキリと理解したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
TOMO LABOオンラインで海上保安庁の最短合格が目指せる「東消塾」を運営している、TOMO LABOが解説します!
海上保安庁の体力試験で見られる3種目とは?


海上保安庁の採用試験(海上保安学校・海上保安大学校)で課される体力試験の種目は、以下の3つです。
- 上体起こし(筋持久力)
- 反復横跳び(敏しょう性)
- 鉄棒両手ぶら下がり(握力・筋力)
「海上保安庁の試験だから長距離走や水泳があるのでは?」と心配する方がいますが、どちらも試験種目に含まれていません。
あくまで短時間で基礎体力を測る検査です。



試験では長距離走や水泳はありませんが、合格後の訓練として行う遠泳・長距離走はあります。
体力試験の実施日について
体力試験は、1次試験を突破した人のみが受けられ、2次試験の一部として実施されます。
実施時期は、受ける区分によっておおまかに次の傾向があります。(年度により前後する可能性あり)
- 海上保安学校(特別:10月入学の区分):6月頃
- 海上保安官(大卒程度):7月頃
- 海上保安学校(高卒程度の一般区分など):10月頃
- 海上保安大学校(本科):12月頃
受験日程の変更はできないため、合格後は通知内容を確認し、移動・宿泊を含めて早めに準備しておきましょう。
体力試験の配点について
実は海上保安庁の体力試験に「配点(得点)」は存在しません。
各種目の基準をクリアしたか・しなかったかの二択で判定されます。
ギリギリのクリアでも余裕を持ったクリアでも、合否の判定は同じですから、「確実に基準を超える」ことだけに集中すればよいことを押さえておきましょう。
【男女別】3種目の合格基準について
2026年度から適用されている最新の基準は、以下のとおりです。
| 種目 | 男子 第1水準 | 男子 第2水準 | 女子 第1水準 | 女子 第2水準 |
|---|---|---|---|---|
| 上体起こし (30秒間) | 22回以上 | 17回以上 | 15回以上 | 9回以上 |
| 反復横跳び (20秒間) | 47回以上 | 40回以上 | 39回以上 | 32回以上 |
| 鉄棒両手 ぶら下がり (持続時間) | 10秒以上 | 10秒以上 | ||
第1水準・第2水準は、わかりやすく表すと以下のような意味となります。
- 第1水準(目標ライン):できれば達成したい、推奨される基準
- 第2水準(最低ライン):下回ると即不合格になる、絶対に超えるべき基準



次の章では、それぞれの水準についてより詳しく解説していきます。
【2026年度改正】新しい合格基準「第1水準」「第2水準」とは?


2026年度から、体力試験の合否判定のルールが大きく変わりました。
変更点を正しく把握しておかないと、対策の方向性がズレてしまうため、必ず理解しておきましょう。
2つの基準の意味
2026年度の試験で変更された点は、「上体起こし」と「反復横跳び」に2段階の基準が設けられた点です。
片方の種目が目標ラインに達していれば、もう片方の種目は最低ラインを超えれば合格できます。
判定のルールを以下にまとめました。
| 条件 | 判定 |
|---|---|
| 「鉄棒ぶら下がり」が10秒未満 | 不合格 |
| 「反復横跳び」「上体起こし」の いずれかが第2水準未満 | 不合格 |
| 「反復横跳び」「上体起こし」の 両方が第1水準を下回った | 不合格 |
| 「反復横跳び」「上体起こし」の どちらか一方が第1水準を上回り、 もう一方が第2水準を上回っている | 合格 |
「反復横跳びは得意だけど、上体起こしが苦手」という人でも、得意な種目で目標ラインをクリアし、苦手な種目は最低ラインを超えれば合格できるため、苦手種目をゼロにする必要はありません。
「鉄棒両手ぶら下がり」には目標ライン・最低ラインの区別がないため、基準値(10秒以上)をクリアしていなければ、即不合格となる点には注意しましょう。



報道によると、海上保安庁がこの改正を行った背景には、近年の若者の体力低下と受験者数の減少があります。過去3年間、体力試験が原因で不合格になった受験者は全体の約5.3%もいました。この層を救済しつつ、必要な体力の最低ラインは守るという意図があります。
海洋科学課程は一部種目が免除
海上保安学校の海洋科学課程を受験する場合、「反復横跳び」と「上体起こし」は実施されません。(「鉄棒両手ぶら下がり」のみ実施)
それ以外の課程(船舶運航システム課程・航空課程・情報システム課程・管制課程)は3種目すべてが課されます。
対策が必要な種目を把握するためにも、自分が受ける課程は必ず確認しておきましょう。
種目別のトレーニング方法を紹介


合格に必要な基準の回数がわかったところで、本章では各種目の具体的なトレーニング方法の一例を紹介します。
どの種目を対策するにしても、本番と同じルール・フォームで練習することがもっとも重要です。



どのようにトレーニングすればいいのか不安な方は、ぜひ参考にしてみてください!
上体起こしのトレーニング
| メニュー | 内容 |
|---|---|
| 基本練習 | 30秒×3セット(セット間60秒休憩) |
| スピード練習 | 15秒間で最速ペースを体に覚えさせる |
| 持久力強化 | 60秒間連続で行い、後半のバテ具合を確認 |
- 上体を起こしすぎない:肘が太ももに触れた瞬間に上体を戻すことで、時間短縮になる。
- リズムを一定にする:「起きて戻る」を一定テンポで繰り返すことで、ペースが崩れない。
- 呼吸を止めない:起きるときに吐く、戻るときに吸うことで、スタミナ切れがしにくくなる。
男子の第1水準(22回)は、1回あたり約1.36秒ペース、女子の第1基準(15回)は1回あたり約2秒のペースです。
反復横跳びのトレーニング
| メニュー | 内容 |
|---|---|
| ライン練習 | 地面にテープで3本線(100cm間隔)を引き、本番通りに反復 |
| ラダー トレーニング | ラダー(はしご状の器具)上でステップを踏み、足さばきを速くする |
| 下半身強化 | スクワット15回×3セット+ランジ10回×3セット |
- 重心を低く保つ:膝を軽く曲げ、腰を落とした状態をキープすることで、切り返しを速くする。
- 上半身はブラさない:下半身だけで動く意識を持つことで、バランスの崩れによるロスを回避できる。
- 端のラインを確実にまたぐ:足がラインを越えないとカウントされないため、正確性を重視する。
男子の第1水準(47回)は、1往復あたり約0.85秒、女子の第1基準(39回)は1往復あたり約1.03秒が目安です。
速いテンポの音楽に合わせて足を動かす練習法も効果的です。
鉄棒両手ぶら下がりのトレーニング
| メニュー | 内容 |
|---|---|
| ぶら下がり練習 | 15秒→20秒→30秒と段階的に延ばす |
| 握力強化 | ハンドグリッパー30回×3セット |
| タオル ぶら下がり | タオルを鉄棒にかけてつかむ(握力への負荷向上) |
試験本番の鉄棒は直径約2.8cmですから、近い太さの鉄棒を見つけて練習しておくのがベストです。
また、手汗で滑って落ちるケースもあるため、試験前に手汗を拭くようにしましょう。
体力試験で落ちる人に共通する5つの失敗パターン


数値だけを見ると、「体力試験で落ちる人なんているの?」と思うかもしれません。
しかし前述の通り、過去3年間の不合格者のうち、約5.3%が体力試験で不合格になっています。
体力試験で落ちてしまう人には、これからご紹介する5つの共通点があるため、自分も当てはまっていないかチェックしましょう。
- フォームが自己流でカウントされない
上体起こしで「肘が太ももに触れていない」と判定されると、何回やっても0回扱いになる。正しいフォームは文部科学省の「新体力テスト実施要項」に準拠しているため、事前に必ず確認が必要。 - 反復横跳びでラインを超えていない
スピードを出そうとするあまり、端のラインを踏み越えずに切り返しをしてしまうことがよくある。自分では50回を超えたつもりだが、実際のカウントは30回というケースもある。 - 練習では合格ラインなのに本番で実力が出せない
緊張と疲労で本来の力を発揮できないパターン。普段から基準の1.2〜1.3倍のスコアを安定して出せるようにしておくと安心。 - 苦手種目を放置する
最低ラインをすべてクリアするだけのトレーニングは必須。得意な種目よりも、苦手な種目を優先して対策するべき。 - 試験直前に詰め込んでケガをする
1週間前に焦って猛練習し、腰や手首を痛めて本番に支障をきたすというのは、よくある失敗例。余裕を持って3ヶ月前から計画的に準備するのがおすすめ。
5つのパターンに共通しているのは、「準備不足」や「思い込み」が原因であり、どれも事前に防げる失敗だという点です。
試験当日に気をつけたい3つのこと


コツコツと練習を積むことと同時に、もう1つ大切なのは、当日の過ごし方です。
準備万端のはずなのに、忘れ物・ウォーミングアップ不足・体力の使いすぎ、といった些細なミスで、本来の力が出せなかったという例はよくあります。
せっかく積み上げた練習を当日に活かすために、本章でご紹介する3つのポイントは必ず押さえておきましょう。
①服装・持ち物は前日に準備する
- 服装:運動しやすいTシャツ・短パン・運動靴(受験案内に指定があればそれに従う)
- 持ち物:受験票、運動着、タオル、飲み物、着替え
当日の朝にバタバタすると、忘れ物をするリスクが高まるのはもちろん、精神的な余裕まで失います。
体力試験は、心身ともに落ち着いた状態で臨むことが大切です。
前日のうちに持ち物をカバンに詰めておくだけで、当日の安心感が格段に上がります。
②ウォーミングアップは「動的ストレッチ」で
体が温まっていない状態で全力を出すと、ケガをする危険性が高まるうえにパフォーマンスも大きく下がります。
試験前に、以下の3つのステップを実施しましょう。
- 軽いジョギング(3〜5分)で心拍数を上げる
- 動的ストレッチで関節をほぐす
- 各種目を2〜3回だけ軽くやって動きを確認する
じっくりと筋肉を伸ばす「静的ストレッチ」は、直前にやると筋力を発揮しにくくなるとされています。
試験前は動的ストレッチだけにしましょう。
③面接との体力配分を考える
体力試験は、基本的に面接と同じ日に実施されます。
「体力試験で全力を尽くしてしまい、面接試験で頭が回らない」ということだけは避けてください。
体力試験は基準を確実にクリアすることだけに集中し、余力が残せるようであれば、面接に備えましょう。
体力試験は点数化されないため、その後の評価にも響きません。合格さえすれば十分です。
まとめ
体力試験は「才能」や「運動神経」で合否が決まるものではありません。
正しい情報を理解して、正しい方法で準備すれば、誰でも合格ラインに届くはずです。
「東消塾」は海上保安庁の試験対策にも対応しており、体力試験と同じ日に実施される「面接試験」に対するサポート体制が整っています。
独学に不安がある方は、ぜひ受講を検討してみてはいかがでしょうか。
\試験や仕事に関する無料相談も実施中/


コメント