消防士の勤務時間は何時から何時まで?勤務形態の違いや1日のスケジュールを東京消防庁OBが解説

消防士は、昼夜問わず様々な災害に対応するため、常に消防署に待機しています。ただ、消防署に住んでいるわけではなく、いくつかの班に分かれて交代しながら常駐しているのが特徴です。

これから消防士になりたいと考えている方は、消防士になった後の働き方をイメージするためにも、勤務時間について知っておくことが大切です。

今回は、消防士の勤務時間に加え、勤務形態の違いや1日のスケジュール例などを解説します。この記事を参考にすることで、消防士になった後の働き方についてイメージしやすくなるでしょう。

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目次

消防士の勤務時間は何時から何時まで?

消防士の勤務時間は、当直日の8:30から翌朝の8:30までとなっているのが基本です。当直後には、非番や休日が続く形になります。一般的な公務員は、1日8時間労働が基本ですが、消防士は災害対応が必要になるため、24時間勤務を行っているのが特徴です。

ただし、これは災害現場に出動する消防士の勤務時間であり、日勤として働く消防士は働き方が異なります。

日勤とは、一般的な公務員のように平日昼間のみに働く働き方です。消防署では、デスクワークをメインとする消防士が日勤に該当します。日勤の消防士は、8:30から17:15までが勤務時間であり、土日も休みとなります。

同じ消防士でも、配属されている部署によって勤務時間が異なることを理解しておきましょう。

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なお、勤務中の具体的な活動内容や時間配分については、次の章「消防士の勤務形態と1日のスケジュール例」で詳しく解説します。

消防士の勤務形態と1日のスケジュール例

消防士の勤務時間を理解するなら、勤務形態と1日のスケジュールについても理解しておくことが大切です。消防士は、配属される部署や消防本部によって、以下のような勤務形態に分けられています。

消防士の勤務形態
  • 2交替制
  • 3交替制
  • 毎日勤務

一見似たような勤務形態ですが、実際にはそれぞれのメリットデメリットが異なります。そのため、希望する消防本部がどの勤務形態を採用しているのかを事前に確認することが大切です。

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交替勤務と毎日勤務では、1日のスケジュールもかなり違うものになっています!

2交替制

2交替制とは、当直と非番を交互に繰り返す勤務形態です。2交替制で働く消防士は、全体の約50%となっています。

2交替制では、以下のような流れで勤務を行います。

当直・非番を2〜3回繰り返すと、2日間の週休が得られます。確実にこうなるとは言えませんが、基本的には上記のようなカレンダーが一般的です。

2交替制の1日のスケジュールは、以下を参考にしてください。

【08:30】勤務交替
【08:40】車両点検
【09:30】ミーティング
【09:40】各種訓練、研修
【12:00】昼休憩
【13:00】各種訓練、研修
【17:30】夕食
【18:30】夜のミーティング
【22:00】仮眠
【翌6:00】起床、車両整備
【翌7:00】朝食
【翌8:00】申し送り
【翌8:30】勤務交替、帰宅

参考:勤務形態|女性消防吏員の活躍推進のためのポータルサイト

また、消防本部の多くは2交替制を採用しており、以下のようなメリットデメリットがあります。

2交替制のメリット
2交替制のデメリット
  • 連休を取りやすい
  • 規則的なため予定を立てやすい
  • 体力的・精神的にハード
  • 生活リズムが乱れやすい

2交替制では、当直と非番が繰り返されるだけでなく、定期的に週休も含まれます。そのため、間の当直で休みを確保できれば、4連休も簡単に取得可能です。

ただ、当直の夜中に常に出動があった場合、非番がほぼ睡眠になってしまいます。睡眠を取ればすぐ夜になり、翌日に24時間勤務をしなければいけません。以上のことから、2交替制は体力的・精神的にハードなデメリットも兼ね備えています。

3交替制

3交替制とは、当直と非番を繰り返しながら、一定期間に「日勤」が入る勤務形態です。3交替制で働く消防士は、全体の約30%となっています。

3交替制では、以下のような流れで勤務を行います。

日勤日には、一般的な公務員のように8:30から17:15まで働きます。日勤後は、週休が続くため比較的まとまった休みを取りやすい期間となるのが特徴です。

3交替制の1日のスケジュールは、以下を参考にしてください。

【08:30】勤務開始、車両点検(一次)
【09:00】朝礼
【09:30】車両点検(二次)
【10:00】訓練、機材点検
【12:15】昼休憩
【13:00】訓練、機材点検、整備点検、予防業務
【17:15】夜休憩、夕食
【18:00】夕礼
【18:30】出動報告書等の書類作成、署内研修、その他の事務処理
【22:00】仮眠
【翌7:00】起床、引き継ぎ業務
【翌8:30】勤務交替、帰宅

参考:勤務形態|女性消防吏員の活躍推進のためのポータルサイト

2交替制と3交替制の勤務形態は異なりますが、1日のスケジュールが大きく異なるというわけではありません。若干違う部分もありますが、基本的には似たような活用をしていると理解しておきましょう。

また、3交替制のメリットとデメリットは、以下の表を参考にしてください。

3交替制のメリット
3交替制のデメリット
  • 体への負担が比較的少ない
  • 出動件数が分散される
  • 勤務が不規則で予定を立てづらい
  • 休みが短く感じる恐れがある

3交替制では、非番の後に週休が含まれるため、2交替制に比べて身体を休めやすいです。連休は取りづらくなりますが、体力的・精神的には余裕を持てるでしょう。

ただ、3交替制では当直や非番、週休に加えて日勤も含まれます。定期的に仕事が入るため休みを短く感じる恐れがあったり、勤務が不規則で予定を立てづらかったりする点に注意しましょう。

毎日勤務

毎日勤務とは、一般的な公務員のように平日の昼間働き、土日祝日に休みとなる勤務形態です。毎日勤務は、消防士全体の約20%と言われており、「日勤」と呼ばれることも多いです。

毎日勤務では、3交替制で定期的にある「日勤」と同様の働き方であり、災害出動などには対応しないのが一般的です。災害出動以外の予防業務や査察業務など、机上業務がメインとなります。

毎日勤務の1日のスケジュールは、以下を参考にしてください。

【08:30】出勤、朝礼
【09:00】書類審査
【10:00】ミーティング
【11:00】書類審査
【12:00】昼休憩
【13:00】完成検査のため外出
【16:00】書類整理
【17:15】退勤

参考:勤務形態|女性消防吏員の活躍推進のためのポータルサイト

毎日勤務は、机上業務だけをしているわけではありません。地域の方への広報活動や様々な調査のために外出することも多いです。

また、毎日勤務のメリットとデメリットは、以下の表を参考にしてください。

毎日勤務のメリット
毎日勤務のデメリット
  • 家族や友人との予定が合わせやすい
  • 拘束時間が短く感じられる
  • 一般的な消防士のイメージしている仕事ではない
  • 出動の機会が少なく、現場経験が限られる

毎日勤務は、生活リズムを整えやすく、土日祝に休めるため家族や友人と予定を合わせやすいのが大きなメリットです。夜間勤務や長時間拘束がないため、体力的な負担も比較的少ない勤務形態といえるでしょう。

一方で、勤務回数が多く通勤の手間が増えるほか、自然な連休は取りづらく、有給休暇を使わないと長期休みが確保しにくい点がデメリットです。また、現場出動が少ない部署に配属されることが多いため、実践的な経験を積みにくいこともあります。

非番と週休は何が違う?

消防士の勤務には「非番」と「週休」の2つがあります。どちらも休みだと捉えがちですが、厳密には意味が異なります。

まず、非番とは24時間勤務を終えた翌日の勤務明けの休息日のことです。これは体力回復のために設けられた休みで、基本的に勤務はありません。しかし、緊急時には呼び出される可能性もあるなど、あくまで「勤務の延長」という位置付けです。

一方、週休とは一般的な公務員と同様に割り当てられた正式な休日です。原則として勤務は発生せず、プライベートの時間として自由に使える日となります。

以上のことから、非番は「休息日」、週休は「完全な休日」と考えておきましょう。

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非番はいつ呼び出されても良いように待機しておく必要があります!

消防士は他の職種と比較して休みが多い?

消防士は、一般的に「休みが多い」と言われることがあります。その理由として、24時間勤務による独自の勤務サイクルが挙げられます。

例えば「勤務→非番→週休」といった3日サイクルで勤務が組まれることが多く、月の出勤日数が10回前後となっています。この場合、非番を休みと捉えると月の1/3が休みとも考えられます。

結果的に、カレンダー通りに働く一般的な会社員と比べて、休みが多いと考える方が多くなっていると考えられるでしょう。ただし、これは1日でまとめて働いていることが理由であり、労働時間そのものが少ないわけではありません。

以上のことからも、消防士の休みは多く感じやすいが、実際は他の会社員と休日数は大きく変わらないことを理解しておきましょう。

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非番は家に帰れますが、当直の疲れで寝て1日が終わることも多いです!

消防士の勤務時間における注意点

消防士の勤務時間における注意点は、仮眠時間や休憩時間が確実ではないという点です。消防士も一般的な公務員と同様のお昼休憩や夜の仮眠時間などが設けられています。

しかし、出動があればいつどんな時でも対応しなければいけません。たとえ休憩中や仮眠中であっても出動しなければならず、休憩時間や仮眠時間が確保できないことも多いです。日によっては、仮眠時間帯に出動が重なることも多く、仮眠を一度も取れずに朝を迎えるケースも珍しくありません。

また、日中も訓練・点検・地域活動などでスケジュールが詰まっていれば、まとめて休憩するのではなく合間に少しずつ休憩する形になることもあります。

以上のように、勤務時間中に「どれだけ疲れていても休めない可能性がある」ことを理解しておくことが、消防士として働き続ける上で非常に重要です。体力面の備えだけでなく、休みが取れない状況でも冷静に活動する精神力も求められる職業だと言えるでしょう。

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最初は辛いかもしれませんが、働くうちに慣れてくる方がほとんどです!

消防士の勤務時間に関するよくある質問

消防士の勤務時間に関するよくある質問を以下にまとめたので、気になる方は参考にしてみてください。

勤務時間中にスマホはいじれる?

原則として、勤務時間中の私用スマホの使用は制限されています。ただし、待機中や休憩時間など、業務に支障がない範囲であれば使用を許可している消防本部もあります。

勤務時間中に仮眠は取れる?

24時間勤務の場合、夜間の時間帯に仮眠時間(おおよそ22時〜翌6時前後)が設定されています。ただし、仮眠中でも出動があれば即時対応が求められるため、日によってはほとんど寝られないこともあります。

他の公務員と比べて勤務時間は長い?

他の公務員と比べて、勤務時間が長いということはありません。24時間勤務は、1日の当直で通常の2日分勤務していることになります。それを、非番や週休で調整しているため、基本的には一般的な公務員と同様の時間勤務していることになります。

消防士の勤務時間の内容は消防本部によって若干異なる

消防士の勤務時間は、基本的に当直日の8:30から翌朝の8:30となっています。しかし、朝は引き継ぎなどもあるため消防本部によって若干異なります。

また、どんな勤務形態が自分に向いているかどうかを確認した上で、受験先の消防本部を決めることも大切です。消防士の勤務時間だけでなく、勤務形態や1日のスケジュールなども吟味した上で、適切な消防本部を受験しましょう。

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この記事を書いた人

【経歴】
株式会社dcn 代表取締役社長
東消塾 代表 
Mindset Professional Coach
元東京消防庁職員

【目的】
東京消防庁の受験生のために
" 挑戦できる環境づくり "をして
最高な人生を歩むための
" ターニングポイント "となる

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