元東京消防庁職員で、現在は消防士の採用試験合格に特化したオンラインスクール「東消塾」を運営している友口です!
何度か消防士を見かけたことのある人は、「あれ?前に見たときと服の色・服装が違う!」と思ったこともあるのではないでしょうか。
今回の記事では、消防士の服の色や服装の違いについて詳しく解説していきます。
これから消防士を目指そうとしていて知識を増やしたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
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消防士の主な服装には3種類ある
消防士が着る主な服装には、以下の3種類があります。
上記の服装は、それぞれ活動する場面によって使い分けられます。
各自治体によってデザインが異なる場合も。
他にも特殊災害時の現場で着る服装も存在しますが、こちらは記事の後半でまた詳しくご紹介します。
制服
制服は、街頭で行われるコンサートやパレード時、毎日勤務の職員によるデスクワーク時に着用します。
消防士の制服は警察官とよく似ており、この姿の消防士を見た人はそこまで多くないかもしれませんね。
女性はズボンとスカートどちらもあり、マタニティ用の制服もあります。
活動服(執務服)
活動服は、交代制勤務を取る消防士が普段している服装です。
訓練中はもちろん、出動要請があったときにすぐに動けるよう、仮眠中にも着用しています。
背中に消防本部名が入っており、右胸には階級章、左胸には隊員名が刺繍されているのが特徴です。
耐熱性と強度に優れたアラミド繊維に加えポリエステルも含まれているため、機敏な動きを妨げません。
活動服は部隊によって色分けされています!こちらも詳しくは記事の後半でご紹介しますね。
防火衣(防火服)
防火衣は火災現場での活動時、身体を熱や炎から守るために着用する服装です。
耐熱性はもちろんのこと強度も非常に優れ、約200kgの力で引っ張られても容易に耐えられます。
防火衣を着用して活動するのはポンプ隊(消防隊)と救助隊です。
活動服の上から着られますし、意外にも柔軟性に優れているんです!近年は防火衣のデザインを一新する消防本部が増えており、どんどんカッコよくなっています!
制服の色の種類について解説
制服の色やデザインは、全国のどの消防本部でも同じです。
冬服は10月~5月、夏服は6月~9月まで着用します。
季節を問わず必ず帽子を着用し、警察官や鉄道員も被っている帽子と似たデザインの制帽です。
また男女で帽子の形が違い、男性用は少し角ばっていて女性用は少し丸みを帯びています。
濃紺の制服
冬の制服はダブルブレストのブレザーのようなデザインです。
右胸に階級章、左の襟部分には消防本部の”き章”、袖には階級を表す帯模様が付いています。
白シャツ・ネクタイ・黒短靴とセットでの着用で、もちろん全て支給品です。
一般企業勤めと違い、服にお金がかからないのは本当に楽ですしお金も貯まります!
水色の制服
夏の制服は水色のシャツと青色のズボンです。
シャツには長袖と半袖2種類のタイプが存在し、右胸に階級章、左肩部分には各消防本部のエンブレムが付けられています。
冬服とは違い、夏らしい爽やかなカラーリングですね。
活動服の色の種類について解説
活動服は各部隊によって3種類に色分けされています。
背中に各消防本部名が印字され、右胸に階級章が付いている点はどの部隊の活動服にも共通しています。
青色の活動服
青色の活動服はポンプ隊(消防隊)が着用しています。
消防士の中で、着ている人が1番多い色の活動服です。
ポンプ隊は放水による消火活動をおこない、消火活動時は活動服の上に防火衣を着用します。
スマートでカッコいいデザインですよね!
オレンジ色の活動服
オレンジ色の活動服を着用しているのは救助隊(レスキュー隊)です。
救助隊は、事故や災害現場等の危険な場所で人命救助をおこなうため、より丈夫な素材でより目立つ色の活動服となっています。
火災時、活動服の上に着用する防火衣はオレンジ色です。
救助隊に配属されるには、他の部隊で経験を積んだ後、救助隊になるための推薦をもらうか選抜試験を突破しなければなりません。
限られた人しか着られないため、オレンジ色の活動服は勲章の1つでもあります。
グレーの活動服
グレーの活動服は、救急隊が着用しています。
活動服がグレーの理由は、活動中に傷病者やその家族と接する際、清潔感を持たれやすいからだそうです。
ちなみに救急隊の活動服は、ISSEY MIYAKEのデザイナー・三宅一生氏が1988年にデザインしたものが全国で採用されています。
現在は新しいデザインにしている消防本部もあるそうです!
防火衣は各自治体によって色・デザインが大きく異なる
防火衣のデザインは、各消防本部でその色やデザインが大きく異なります。
中には旧型の防火衣から最新鋭の防火衣に更新する際、色味やデザインを大きく変更する場合も。
江津邑智消防組合の場合
島根県・江津市の江津邑智消防組合では、空気呼吸器着装時でも視認性を高くする目的でデザイン変更をし、ゴールドからネイビー×赤色に変更されています。(写真左から右へ変更)
長野市消防局の場合
長野県・長野市の消防局では、夜間の視認性向上のため、ダークネイビーからゴールド×ネイビーに変更されています。(写真左から右へ変更)
消防士のヘルメットにも色の違いがある
消防士は服装の違いだけではなく、ヘルメットにも色の違いがあります。
多くの消防本部がシルバーカラーを採用していますが、東京消防庁の中でも高度な知識と技術を兼ね備えた隊員で編成される消火部隊「特別消火中隊」は、ゴールドのヘルメットを着用しているのが特徴的です。
また、先ほど防火衣のところでご紹介した島根県・江津市の江津邑智消防組合では、防火衣の更新に際してヘルメットもシルバーカラーからガンメタリックカラーに変更されています。
ちなみに、僕も特別消火中隊として活動していました!
その他の消防士の服装を紹介
消防士の主な服装は制服・活動服・防火衣の3種類ですが、その他にも特殊な状況下でのみ着用する服装が存在します。
上記服装を着用するのは特殊な場面に限られるため、それに応じた知識や技術を持ち合わせた隊員のみしか身につけられません。
耐熱服
耐熱服は防火衣よりも耐熱性に優れた服です。
危険物火災や航空機火災等の高温下での救助・消火活動をする際に着用します。
防護服
防護服は炎や熱以外のものから身を守り、安全に救助・消火活動をするために着る服です。
- 放射線防護服
放射線が漏れた現場でも、被爆せずに活動するための服。 - 化学防護服
有毒な液体やガス等の化学物質から身を守るための服。防護服内を周囲より高い気圧にして有毒ガスの侵入を防ぐ「陽圧式化学防護服」と、浸透性の無い素材を使い液体の侵入を防ぐ「非陽圧式化学防護服」がある。
耐電衣
耐電衣は絶縁性素材で作られた、感電事故を防止するための服です。
7,000V以下で通電している送電線付近での活動ができるようになります。
感染防止衣
感染防止衣は、災害時に救急隊が自身を血液や吐瀉物から身を守るために着用する服です。
活動服の上から着用し、手袋やマスク、ゴーグルなども一緒に身に着けます。
ウェットスーツ
ウェットスーツは水難救助隊が着用する、水辺で救助活動をするために必要な服です。
ヘルメット・水中マスク・フィンは必ず着用し、さらに水深が浅い場合はシュノーケル、深い場合は酸素ボンベを装備します。
消防士の服の色・服装についてのまとめ
消防士の服の色や服装について詳しく知りたい人は、以下のことを覚えておきましょう。
- 基本的な服装は制服・活動服・防火衣の3種
- 活動服は青色=ポンプ隊、オレンジ=救助隊、グレー=救急隊
- 防護服やウェットスーツ等は、特殊な知識や技能を持ち合わせた隊員から構成される部隊のみが着用可能
格好良い服装を見ると、消防士になりたいというモチベーションも高まります。
しかし消防士の採用試験はとても難易度が高く、本気で試験対策に取り組まないと、合格するのは大変です。
消防士になりたいけれど試験に合格できるかどうか不安な人は、ぜひ「東消塾」の無料相談を受けてみてはいかがでしょうか。
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