「大卒で消防士になるには何をしたらいいの?」
大卒で消防士を目指す方のなかには、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
大卒の消防士は、一般的な民間企業よりも初任給が高いうえ、やりがいも高い仕事であることから、多くの方から人気があります。
高卒と比べて倍率も高いので、大卒で消防士になるには試験内容への対策がポイントです。
本記事では、大卒から消防士になるまでのロードマップを元消防士が解説します。
TOMO LABO大卒消防士の試験内容やについても解説していくので、ぜひ参考にしてください。
【初任給30万円超】大卒で消防士になると初任給が高い!
大卒で消防士になると、30万円を超える高額な初任給をもらえます。
具体的な金額については受験する自治体ごとに変動しますが、上場企業の水準よりも高い傾向にあります。
| 項目 | 消防士 | 上場企業 |
|---|---|---|
| 初任給 (大卒) | 321,900円 | 255,115円 |
参考:一般財団法人労務行政研究所
さらに、消防士は当直勤務や災害出動に伴う手当が支給されるため、勤務実態によっては初年度から想定よりも高額な収入を得られる場合があります。
民間企業のように研修期間で給与が制限されることもないので、大学卒業と同時に高水準の収入を得たいなら消防士がおすすめです。
大卒から消防士になるには?合格までのロードマップ
大卒から消防士になるためのロードマップをご紹介します。
それぞれについて、詳しく解説していきます。
①受験する自治体を決める
まずは、受験する自治体を決めましょう。
原則として、消防署は所在する市区町村が管轄しており、自治体ごとに募集人数や各種手当の割合が異なります。
受験する自治体を決めるポイントは、以下のとおりです。
- 地域手当が高い消防署を選ぶ
- 居住したいエリアにある消防署を選ぶ
- 競争倍率が低い消防署を選ぶ
ただ、倍率が低い消防署は裏を返せば人気がないことになるので、注意してください。
収入や福利厚生を重視するのであれば、東京消防庁や政令指定都市の消防署がおすすめです。



人口が少ない地域の消防署は給与が少ないです。
②採用試験に向けて勉強する
受験する自治体が決まったら、採用試験に向けて勉強しましょう。
大卒で消防士になるための勉強方法は、以下の通りです。
- オンライン講座
- 独学
- 専門学校
「消防士になるための勉強は専門学校で行う」と認識している方も多いですが、大卒で消防士を目指す場合は大学の勉強も大事なので、専門学校は現実的ではありません。
大卒で消防士になるには、オンライン講座を活用してスキマ時間に対策を行いましょう。



納得のいくまで繰り返し対策することが重要です!
③消防学校に入校する
晴れて採用試験に合格出来たら、消防学校に入校です。
入校日は4月の上旬が一般的で、全員が寮に入り、約6ヵ月のあいだ訓練や座学を受けます。
- 消防に関する法令等の座学
- 消防業務に関する座学
- 消防業務に関する実務
私が「東京消防庁消防学校」に在籍していた頃は、以下のスケジュールで過ごしていました。
平日は上記のスケジュールで過ごし、土日祝は休みとなります。
土日祝日は外泊OKなので、学校の仲間とお酒を飲んだり、彼女と会ったりできます。



消防学校在校中でも給与は満額支給されます!
④消防署に配属される
消防学校での教育期間が修了すると、各消防署に配属されます。
日勤がメインになる本部に配属されるのは稀で、消火隊や救急隊に配属されるのが一般的です。
- 災害対応業務
- 火災予防業務
- 防災安全業務
- 本部業務
災害対応以外は、基本的に訓練・体力錬成・事務作業を行います。



仕事で体を鍛えられるので筋トレ好きには特におすすめです!
大卒消防士の試験内容
大卒で消防士になるには、試験内容を理解して対策を行うのが重要です。
ここからは、大卒消防士の試験内容について解説していきます。
大卒で消防士を目指す方は、まず上記の内容を理解することから始めましょう。
大卒消防士の試験情報
大卒で消防士になるには、まず試験区分や受験資格、試験の日程などの試験情報を理解するのがポイントです。
試験情報を知らないままだと、申し込みや試験日を間違えて、受験すらできない可能性も出てくるので注意してください。
試験区分
大卒で消防士になる場合の試験区分は、I類(A)もしくは専門系となります。
| 試験区分 | 内容 |
|---|---|
| 専門系 | 大卒が対象。法律・建築・電気・通信・物理・土木・機械などの、専門的な知識を持っている人が受験する。 |
| I類(A) | 大卒が対象で自治体によってはAという区分に分類されている |
| II類 | 短大・専門卒が対象で多くの自治体では29歳以下が対象になっている |
| III類(B) | 高卒が対象で多くの自治体では22歳未満が対象になっている |
上記は一般的な試験区分で、自治体によっては学歴ではなく年齢で区分されている場合もあります。



自分がどの区分に該当するか確認しておきましょう。
受験資格
消防士の受験資格は自治体ごとに異なりますが、東京消防庁では以下の受験資格が設けられています。
- 専門系、I類については35歳まで、III類については21歳まで
- 矯正視力を含み、両眼で0.7以上かつ片眼でそれぞれ0.3以上
- 日本国籍を有している
- 過去に禁固刑等の処罰を受けていない
東京消防庁では以前まで身長・体重制限が設けられていましたが、令和5年度の採用試験から撤廃されています。
その他、多くの自治体でも身長・体重制限が撤廃されており、現在は年齢制限さえクリアすれば受験できる環境です。
今の職場に不満がある方は、消防士になる道も検討してみてください。



年齢制限の上限が高いのは東京消防庁の35歳です!
試験の日程
消防士の採用試験の日程は受験する自治体ごとに異なるので、必ずホームページなどで確認するようにしてください。
ちなみに、東京消防庁における令和8年度のI類の試験日程は以下のようになっています。
| 項目 | 東京消防庁 |
|---|---|
| 申込受付期間 | 1回目:2/16(月)10時~3/13(金)17時 2回目:7/2(木)10時~7/31(金)17時 |
| 試験日 | 1回目:4/26(日) 2回目:9/6(日) |
試験の日程や回数は年ごとに変動する可能性があるので、受験する消防本部のホームページは定期的に確認するようにしましょう。



規模の小さい消防署では募集人数が0の年も多々あります!
筆記試験の内容
筆記試験は、1次試験で実施される試験で、知能分野(一般知能)と知識分野(一般知識)の2分野から出題されます。
- 知能分野
文章理解・英文理解・判断推理・空間概念・数的処理・資料解釈 - 知識分野
人文科学(国語・歴史・地理)・社会科学(法学、政治、経済、社会情勢)・自然科学(数学・物理・科学・生物)
マークシートの5択式で出題され、I類なら大卒程度の一般教養が試されます。
大卒で消防士になるうえで最も重要な試験で、十分な対策が必要です。
筆記試験について詳しくまとめた記事もあるので、ぜひ参考にしてください。


適性試験の内容
適性試験は、1次試験で実施される試験で、消防士としての適性を測る目的があります。
適性を検査する方法は、以下のとおりです。
- 内田クレペリン検査
簡単な四則演算をし、正確性や対応力、集中力を測る検査 - YG性格検査
簡単な質問に対して「はい」か「いいえ」で答える検査で、誠実さを測る
適性検査では、嘘をつかずに本心で回答することがポイントです。
嘘の回答は見破られる設計になっており、合格のために嘘をつこうとしても、最終的には試験管にバレてしまう可能性が高いです。



東京消防庁では令和6年から「SPI3」という適性検査を導入しています。
体力試験の内容
体力試験は2次試験で実施される試験で、消防士として必要な基礎体力があるかを見抜く目的があります。
体力試験の内容は、以下の通りです。
- 1km走
- 反復横跳び
- 上体起こし
- 立ち幅跳び
- 長座体前屈
- 握力
- 腕立て伏せ
参考:東京消防庁 職員募集
明確な合格基準はありませんが、消防士として必要な体力があると判断されれば、合格できます。
消防士の体力試験について詳しくまとめた記事があるので、そちらも参考にしてみてください。


面接試験の内容
面接試験は2次試験で実施される試験で、受験者の人柄やコミュニケーション能力を把握する目的があります。
面接試験を受ける際は、事前に質問されるかもしれない内容を想定し、事前に回答を考えておくことがポイントです。
大卒消防士の面接試験で聞かれることが多い質問内容は、以下の通りです。
- なぜ消防士になろうと思いましたか?
- 自己PRをお願いします。
- 学生時代に頑張ったことを教えてください。
- どんな消防士を目指していますか?
- あなたが消防士に向いている理由を教えてください。
消防士の面接試験では、一般的に20分~30分の間に10個ほどの質問が出題されます。
できるだけスムーズに回答できるように、面接練習を繰り返し行い、自信をつけてから試験に臨みましょう。
面接試験でよくある質問&解答例を紹介している記事もあるので、ぜひ参考にしてください。


【Q&A】大卒で消防士になりたい人からのよくある質問
- 消防士を目指すのに大学の学部・学科は関係ありますか?
-
採用試験で学部・学科が影響することはありません。
合格するには試験内容に対して十分な対策を行うのが重要です。
- 大卒で消防士になるには資格が必要ですか?
-
特別、必要な資格はありません。
救急救命士など、消防士の業務で活用できる資格は有利に働く可能性がありますが、入隊後でも取得可能です。
まとめ
大卒の消防士には、以下のようなメリットがあります。
- 民間企業よりも高水準の初任給
- やりがいが高く、多くの人から感謝される
- 景気に左右されることなく、将来的な計画を立てやすい
合格倍率は高卒よりも高いですが、大学4年間でしっかりと対策を行えば、合格への道は必ず見えてくるはずです。
筆記試験や面接試験など、独学では限界がある試験に関しては、オンライン講座や個別授業を活用したほうが効率的です。
大卒で消防士になりたい方は、早めに自分に合った効率的な勉強方法を見つけて、採用試験に向けて準備していきましょう。











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