
現在消防士として働いている方や消防士を目指す方の中には、将来設計として「セカンドキャリアについても考えておきたい」という方もいるかもしれません。セカンドキャリアは、自分の人生を豊かにするために重要な選択です。
しかし、消防士は専門職だからこそ、セカンドキャリアの設計が難しいのではないかと感じている方も多いでしょう。
今回は、消防士のセカンドキャリアとしてどんなものがあるのかやおすすめの転職先、定年後の再就職などを解説します。この記事を読むことで、消防士のセカンドキャリアについて理解し、将来設計がしやすくなるでしょう。

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消防士のセカンドキャリアとは?


消防士のセカンドキャリアとは、消防士としてのキャリアを終えた後、もしくは在職中に転職を決意した際に選ぶ「第二の職業人生」を指します。消防士の仕事は、体力や精神力が削られやすい仕事のため、定年まで第一線で働き続けるのは簡単ではありません。
早ければ30代後半〜40代で体力の限界を感じ、将来を見据えて新たなキャリアを模索する人もいます。
そのため、現在消防士の方だけでなく、これから消防士になろうと考えている方でも、消防士のセカンドキャリアについて考えておくことが大切です。セカンドキャリアとしてどんなものがあるのかを考えておくことで、満足度の高いキャリアを進められるでしょう。



消防士として働いている方の中には、定年まで消防士として働き続ける意思はなく、途中でキャリアチェンジを考えている方もいます!
消防士からの転職は難しい?


消防士からの転職は、やり方や転職先次第では難しいわけではありません。しかし、消防は専門性の高い職業だからこそ、再就職先によっては消防士としての経験やスキルを活かしづらいのも事実です。
特に、30代後半以降になると年齢面や異業種での経験不足から、希望する条件での転職が難しくなる傾向があります。一方で、20代などの若手なら比較的スムーズに転職先を見つけられるケースも多いです。
以上のことからも、消防士からの転職が難しいとは一概には言えず、やり方や転職先次第で難易度が異なるということを理解しておきましょう。



年齢に関係なく望んだセカンドキャリアを歩むためにも、これから紹介する内容をしっかりと読んでおきましょう!
消防士の離職率は?


消防士のセカンドキャリアを考える前には、消防士の離職率やその理由も把握しておくことが大切です。消防士の離職率及び退職理由は、以下の表を参考にしてください。
退職理由 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
定年退職 | 13人 | 0.4% |
早期退職募集制度による退職 | 148人 | 4.0% |
勧奨退職 | 426人 | 11.6% |
普通退職 | 2,954人 | 80.2% |
分限退職 | 2人 | 0.1% |
懲戒免職 | 34人 | 0.9% |
失職 | 3人 | 0.1% |
死亡退職 | 101人 | 2.7% |
この表は、令和5年度に総務省によって実施された調査結果を参考にしています。定年退職者数が異常に少ないのは、令和5年度4月1日から消防士の定年退職年齢が段階的に引き上げられているからです。



令和5年度で退職する予定だった消防職員が、退職しなくなったため一時的に定年退職者が減ったと考えられます!
比較として、令和3年度の消防士の離職率及び退職理由をまとめると、以下の表のようになります。
退職理由 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
定年退職 | 2,781人 | 58.7% |
早期退職募集制度による退職 | 92人 | 1.9% |
勧奨退職 | 184人 | 3.9% |
普通退職 | 1,573人 | 33.2% |
分限退職 | 0人 | 0.0% |
懲戒免職 | 24人 | 0.5% |
失職 | 2人 | 0.0% |
死亡退職 | 82人 | 1.7% |
令和3年度を見ると、退職者の半分以上を占めるのが定年退職となっています。令和5年度の定年退職年齢引き上げのように特殊な事情がない場合は、基本的に定年退職がほとんどを占めるため、定年退職後のセカンドキャリアについて考えておくことが大切です。



続いては、消防の定年退職制度や定年退職後の再就職について詳しく解説します!
消防士の定年は何歳?


消防士の定年年齢は、令和4年度までは60歳でした。しかし、総務省消防庁による「消防職員の定年引き上げ」によって、消防職員を含む地方公務員の定年年齢が60歳から65歳まで2年に1歳ずつ段階的に引き上げられることとなりました。
定年年齢引き上げのイメージとしては、以下の表を参考にしてください。


定年を引き上げることになった理由としては、高齢期職員の活躍の場を広げ、消防組織全体を活性化させることが目的とされています。ただ、高齢期職員は体力面で若手の消防士に劣るため、指令業務や予防業務など現場での直接的な活動には関わらないのが特徴です。



消防士の定年について詳しく知りたい方は、以下の表を参考にしてください!


定年後に再就職はできる?
消防士として定年を迎えた後でも、再就職は可能です。しかし、年齢的な部分から、どんな職種にも再就職できるというわけではありません。
定年後の再就職を考えているなら、消防としての経験やスキルを活かせる職種に再就職するのがおすすめです。
給与や待遇は消防時代より下がる可能性は高いですが、定年後の再就職なら退職金や年金を受け取った状態で働くことも可能です。そのため、定年後の再就職は比較的安定したセカンドキャリアを築きやすいと言えるでしょう。



定年後の再就職では、早めに情報収集をしておくことが大切です!
消防士の再任用制度とは?
定年後の再就職先としては、再任用制度を活用して再び消防士として働く方法もあります。「消防士を定年退職したのに再び消防士として働くってどういうこと?」と思った方もいるでしょう。
再任用制度とは、定年後も消防士として働くことを支援するための制度です。本人が希望すれば、65歳まで消防士として働くことができます。再任用職員数は年々増加しており、令和3年度には5,661人が再任用職員として働いています。


ずっと消防士として働いた後も「特にやりたい仕事がない」という方や「生涯、消防士として働き続けたい」という方は、再任用制度の活用を検討してみましょう。



再任用職員として働くことで、今までの経験やスキルを今後も社会のために役立てられます!
消防士から転職したいと思う理由


消防士から転職したいと思う理由は、以下の3つです。
- 訓練や現場が体力的にきつい
- 体育会系の上下関係がきつい
- 勤務形態が精神的にきつい
消防士を辞める方の多くは、似たような理由で転職を決意しています。転職理由を知ることで、セカンドキャリアで失敗しないための判断材料にもできるため、確認しておくのがおすすめです。



セカンドキャリア先を決める時に、「同じ理由でまた辞めたりしないかどうか」を考えましょう!
訓練や現場が体力的にきつい
消防士から転職したいと思う理由として、訓練や現場が体力的にきついことが挙げられます。火災現場では、防火衣や空気呼吸器に加え、消火・救助活動に必要な資機材を持ち歩かなければいけません。
装備や資機材が重いだけでなく、高温・煙・有毒ガスなど過酷な環境下で活動しなければいけないため、体力の消耗も激しいです。
また、それらの状況で活動するためには、普段から現場と同じかそれ以上に厳しい訓練を続ける必要があります。
そのため、年齢を重ねれば重ねるほど体力的な負担を感じやすく、転職を検討する方も増える傾向にあります。



階級を昇進しない限りは、年齢を重ねていても前線で活動することも多いんです!
体育会系の上下関係がきつい
消防士から転職したいと思う理由として、体育会系の上下関係がきついことが挙げられます。消防職員の立場は階級によって明確に分けられているため、絶対的な上下関係が生まれやすく、ストレスを感じやすいです。
また、先輩から後輩への指導が厳しい署も多く、時には理不尽に感じる指示や叱責を受けることもあります。新人のうちは特に、慣れない業務に加えて職場の人間関係にも気を遣う必要があり、精神的な負担が大きくなりやすいことを理解しておきましょう。



体育会系の環境にいなかった方は、上下関係の厳しさに驚くかもしれません!
勤務形態が精神的にきつい
消防士から転職したいと思う理由として、勤務形態が精神的にきついことが挙げられます。消防士の勤務形態は特殊で、24時間勤務や夜勤を含むシフト制が基本です。
勤務中は、夜間に緊急出動が入ることも多く、十分な睡眠を確保できないことも多くあります。また、火災や救急現場などでは命に関わる判断を迫られることも多く、精神的な緊張状態が続くため、精神的にきついと感じやすいです。
精神的なプレッシャーや生活リズムの不規則さなどから、消防士からの転職を検討する方も多いです。



消防士の勤務形態について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください!


消防士を辞めなければ良かったと後悔する理由で多いもの


消防士を辞めなければ良かったと後悔する理由で多いものとしては、以下の2つが挙げられます。
- 給与や待遇面で消防士の方が良かった
- 辞めてから消防士の仕事にやりがいを感じた
消防士を辞めてセカンドキャリアを歩む方の中には、消防士を辞めたことを後悔する方もいます。消防士を辞めて後悔しないようにするためには、後悔する理由で多いものを理解し、本当に辞めてしまって良いのかを考えることが大切です。



もう一度消防士になろうと思っても、消防官採用試験に再度合格しなければいけなかったり、年齢制限により受験できないことがあるため、よく考えた上で決断しましょう!
給与や待遇面で消防士の方が良かった
消防士を辞めた後に後悔する理由として多いのが、給与や待遇面でのギャップです。消防士は地方公務員であり、安定した収入と充実した福利厚生が保証されています。
一方で転職先の企業では、入社当初は年収が下がるケースが多く、ボーナスや各種手当も消防士時代ほど充実していないことがほとんどです。さらに、退職金や年金制度も消防士時代より不利になることが多いため、転職を後悔してしまうケースがあります。



転職前に、転職先の給与や待遇面についてもしっかり調査しておきましょう!
辞めてから消防士の仕事にやりがいを感じた
消防士を辞めた後に後悔する理由として多いのが、転職先よりも消防士の方がやりがいを感じたというケースです。現役時代は、厳しい訓練や長時間勤務、上下関係の厳しさなどにストレスを感じることもあります。
しかし、いざ離れてみると、人命を守るという責任感や達成感、仲間との強い絆など、消防士ならではの魅力を再認識するケースが多いです。
また、火災現場や救急活動などでは、毎日誰かの役に立てているという実感も得やすいため、転職後に後悔してしまう方もいます。



消防という仕事は、一般の方が遭遇しないような場面がほとんどであり、現場で働く消防士は民間企業での仕事にやりがいを感じないケースも多いです!
転職後に「消防士を辞めなければ良かった」と思いたくない方は、以下の表を参考にしてください。


消防士から転職するメリット・デメリット


消防士から転職を考えている方や長期的なライフプラン設計でのセカンドキャリアを考えている方は、転職するメリット・デメリットを理解しておきましょう。メリット・デメリットを理解しておくことで、転職を成功させやすくなります。
消防士から転職するメリット・デメリットは、以下の表を参考にしてください。
消防士として培った経験やスキルを活かせる職場に転職できれば、やりがいを感じられたり、給与や待遇アップに繋がるセカンドキャリアを築けます。一方で、一時的に公務員としての安定した給与や手厚い福利厚生を手放すことになるため、慎重な検討が必要です。



転職しても、今より良い環境になるか悪い環境になるかは人それぞれです!
消防士におすすめの転職先


消防士のセカンドキャリアとしておすすめの転職先は、以下のようなものが代表的です。
- 営業職
- スポーツジムのインストラクター
- 医療関係職
- 防火・防災管理者
- 消防士養成学校の講師
セカンドキャリアを成功させるためには、消防士の経験やスキルを活かせる転職先選びが重要です。転職先によって、セカンドキャリアが成功するかどうかが異なるため、自分に合った転職先を見つけましょう。



全く関係ない職種だと、一から全て覚えなければいけないことも多いため、時間と労力がかかります!
営業職
営業職は、消防士として培ったコミュニケーション能力や責任感を活かせる職種です。誠実さや信頼関係を重視する姿勢が評価されやすく、未経験からでも採用されるケースが多いのが特徴です。成果報酬型の会社へ転職すれば、成績次第で消防士より多くの給与を受け取れるでしょう。
スポーツジムのインストラクター
スポーツジムのインストラクターは、消防士時代に鍛えた体力やトレーニング知識を直接活かせる職種です。消防士は、体力や筋力が必要であり、普段から仲間同士でどのようなトレーニングが効果的なのかを話す機会も多いです。そのため、未経験でも消防士経験を活かして仕事を進められるでしょう。
医療関係職
医療関係職は、救急救命士の資格や応急処置の経験を活かせる職種です。資格や医療系の知識を活かせば、病院スタッフ、介護施設職員、訪問介護員など幅広い職種で活躍できます。
防火・防災管理者
防火・防災管理者は、様々な災害に対する被害を軽減・防止するために各建築物に応じて配置されるため、消防士としての経験が活かせる職種です。消防士として培った防災知識や危機管理能力がそのまま評価されやすく、企業のリスク管理部門や大型商業施設などでも需要があります。現役時代に、予防査察などで活動した経験があれば、経験を大いに活かせるでしょう。
消防士養成学校の講師
消防士養成学校の講師は、消防士を目指す方に対して公務員試験の対策方法や消防士の仕事について教える職種です。消防士経験があれば、実践的な試験対策法を教えられるだけでなく、実際の現場経験も教えられます。自分の教えた生徒が合格できれば、やりがいを感じられるでしょう。
消防士のセカンドキャリアを成功させるポイント


消防士のセカンドキャリアを成功させるポイントは、以下の3つです。
- セカンドキャリアの目的を明確にする
- 転職するタイミングを慎重に見極める
- 消防士の経験やスキルを活かせる転職先を選ぶ
適当に転職してしまうと、セカンドキャリアに失敗する確率が高くなります。セカンドキャリアに成功したと思えるように、最低でも以上の3つを抑えておきましょう。



本格的なセカンドキャリア形成を考えている方は、絶対に確認しておくべき内容です!
セカンドキャリアの目的を明確にする
消防士のセカンドキャリアを成功させるポイントは、セカンドキャリアの目的を明確にするということです。目的が曖昧なまま転職活動を始めてしまうと、条件や仕事内容の優先順位が定まらず、転職後に後悔するリスクが高まります。
目的別の優先順位としては、以下を参考にしてください。
- 収入を上げたい→年収アップが見込める企業や成果報酬型の職種に就く
- ワークライフバランスを重視したい→夜勤がなく残業が少ない職種に就く
- やりがいを求めたい→消防士経験を活かせる医療・防災・安全管理分野へ転職する
- 新しいスキルを身に付けたい → ITや営業など未経験からチャレンジできる業界を選ぶ
このように、自分の価値観や将来設計に合わせて転職の軸を定めることが重要です。目的を明確にすることで、転職先の選定基準がはっきりし、後悔しづらいセカンドキャリアにできるでしょう。



給与だけでなく働き方ややりがい、将来性なども見越して判断することが大切です!
転職するタイミングを慎重に見極める
消防士のセカンドキャリアを成功させるポイントは、転職するタイミングを慎重に見極めるということです。転職のタイミングを間違えると、希望する条件での転職が難しくなったり、給与・待遇面で不利になったりする可能性があります。
一般的には、20代〜30代前半での転職は比較的有利とされています。一方で、30代後半以降になると採用枠が限られ、好条件での転職が難しくなる可能性が高いです。
また、消防士として昇進したことがあるかも重要です。昇進経験があれば、マネジメント能力もアピールできるため、より幅広い職種へ転職できるでしょう。



退職金やボーナスの支給月など、金銭的なデメリットを避けることも大切です!
消防士の経験やスキルを活かせる転職先を選ぶ
消防士のセカンドキャリアを成功させるポイントは、消防士の経験やスキルを活かせる転職先を選ぶということです。職種によっては、消防士として培った対応力や危機管理能力、チームワーク力などが高く評価されます。
例えば、災害時の対応力や防災知識を活かせる防火・防災管理者や救急対応の経験を活かせる医療関係職などがおすすめです。
以上のことからも、転職先を選ぶ際にはこれまでの経験やスキルを活かせるかどうかを基準にすることで、セカンドキャリア形成を成功させやすくなるでしょう。



未経験の業界でも成功する可能性は十分ありますが、最初のうちはかなり大変になることを理解しておきましょう!
セカンドキャリアは消防士になってからでも遅くない


消防士のセカンドキャリアで悩んでいる方の中には、まだ消防士になっていないのに消防士になった後のことを考えている方もいます。セカンドキャリアを含めたキャリア設計を考えておくことは大切ですが、消防士は簡単になれるものではありません。
数多くのライバルの中から、公務員試験を受験して合格する必要があり、適切な対策をしなければ消防士にすらなれない可能性も高いです。まずは、消防士になることを目標にしたいと考えている方には「東消塾」がおすすめです。
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消防士になる前に、消防士のセカンドキャリアを考えておくことで、人生全体のキャリアも安定させられます!
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