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消防士の仕事は、働いてみて初めて感じることが非常に多い職業です。
例えば、意外と事務作業が多かったり大きな災害出動がなかったりします。
想像と現実の仕事内容が異なると、やりがいを感じづらくなる恐れがあります。
イメージと現実のギャップについて理解しておくことで、モチベーション低下に繋がることなく消防士として働き続けやすくなるでしょう。
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消防士の仕事内容とは?
消防士の主な仕事内容は、以下の4つです。
- 災害出動
- 予防・防災業務
- 事務業務
- その他雑務
一般的な消防士の仕事として思い浮かべることが多いのは、災害出動です。しかし現実では、災害出動よりも予防・防災業務や事務業務の方が多い消防本部もあります。
この現実を理解していないと、入社後に「思ってた仕事と違った」と感じる恐れがあります。消防士試験を受験する前には、実際にどんな仕事をしているのかを細かく理解しておくことが大切です。
最初の頃は覚えることが多くて大変です!
災害出動
消防士の最も重要な仕事内容として「災害出動」が挙げられます。災害出動で活躍する部隊は、以下の3つです。
- 消防隊
- 救急隊
- 救助隊
どの部隊に配属されるかによって、災害時にどんな活動をするのかが異なります。また、どんな時にやりがいを感じるのかも異なるでしょう。続いては、各部隊の仕事内容ややりがいを解説します。
自分のやりたい仕事が各部隊にあるのかどうかを確認してみましょう。
消防隊
消防隊は、火災の現場で消火活動をメインに行っています。消火活動では、ホースの延長や市民の方への声掛け、火災現場へ入り人命救助の補助も行います。消防の中でも代表的な業務であり、消防学校を卒業して最初に配属されることが多いです。
近年では、木造ではなくコンクリート構造の建物が増えています。しかし、東京消防庁の火災件数は過去5年間を見てもほとんど変わっていません。半焼以上の件数はやや減っていますが、今後も火災が起きる可能性は高いです。
これからも消防隊が活躍する現場は多く、消火活動のプロを目指している方は消防隊がおすすめです。
また、消防隊は火災現場だけに出動するわけではありません。火災が多い時期の警戒や救急現場で人員が必要な時、学校への避難訓練指導なども業務の一つです。災害出動する部隊の中でも様々な業務があり大変ですが、その分やりがいを感じられることも多いでしょう。
消防士としての基本的な活動は消防隊で学ぶことができます!
救急隊
救急隊は、災害出動の中でも救急業務をメインに活動する部隊です。救急車での活動がメインであり、東京消防庁では1部隊3人で構成されています。3人の内訳は以下の通りです。
- 救急隊長:現場の状況判断や病院選定などを行う
- 救急機関員:救急車両の運行を行う
- 救急隊員:その他救急活動に関連する業務を行う
参考:救急隊員|東京消防庁
救急車には、救急救命士と呼ばれる国家資格を持つ隊員が1人は乗務しています。救急救命士は、気管挿管や薬剤投与など、より専門的な処置を行うことが可能です。
参考:救急救命士とは|一般社団法人 全国救急救命士教育施設協議会
また、消防本部によっては消防隊員でも救急隊に同乗することもあります。救急隊で欠員が出てしまったり、人手が必要な現場だったりする場合は消防隊員が補充されることが多いです。
消防隊が救急隊と連携する出動は「PA連携」と呼ばれます!
「救急の知識が無くて不安」と感じている方でも、心配いりません。消防学校で救急に関する知識や資格も取得できるため、学んだことを現場で活かしましょう。
救助隊
救助隊は、火災や交通事故、自然災害などあらゆる災害に対応できる救助のスペシャリストです。救助隊は、以下の種類に分けられます。
- 救助隊:救助活動を専門的に行う
- 特別救助隊:化学防護服などを持ち救助隊よりも幅広い災害に対応
- 高度救助隊:上記に追加してNBC災害など高度な教育を受けている
- 特別高度救助隊:政令指定都市に設置され、いかなる救助活動にも対応
平成28年4月1日時点における全国の救助隊配置数は、以下の通りです。
- 救助隊なし:18本部
- 救助隊:715本部
- 特別救助隊:319本部
- 高度救助隊:105本部
- 特別高度救助隊:21本部
救助隊の種類に関する概要は、以下の表を参考にしてください。
特別高度救助隊の名前は消防本部によって様々で、東京消防庁では「ハイパーレスキュー隊」と呼ばれています!
救助隊は、消防の部隊の中でも救助を専門とし、命を守るスペシャリストとして活動します。消防士を目指す方の中には、救助隊で働くことを目標としている方も多いです。最後の砦と言っても過言ではなく、やりがいも大きく感じられるでしょう。
予防・防災業務
予防・防災業務も消防士の仕事内容の1つです。表で派手に活躍する消防隊や救助隊とは異なりますが、火災を未然に防止するという意味で非常に大切です。予防・防災業務では、以下の業務を行います。
- 火災予防の啓発・広報活動
- 防火対象物への立入検査
- 消防設備の使い方や管理指導
- 火災現場における原因調査や損失調査
- 会社や学校における防災訓練指導
参考:予防業務|東京消防庁
以上のように、予防・防災の業務範囲は多岐にわたります。上記に加えて、各消防本部で火災予防のための様々な取り組みが行われています。令和6年度の東京消防庁では、3月の火災が増える時期に備えて火災予防運動が実施されました。
引用:東京消防庁<インフォメーション><令和6年春の火災予防運動>
予防・防災業務は「消防に興味はあるけど身体を動かすのは苦手」という方に向いています。火災を未然に防止することで、市民の役に立っているということもやりがいの1つです。
市民の役に立つのは消防隊や救急隊だけではありません!
事務業務
消防士は、事務作業も毎日行っています。出動が無いときには、過去に出動した現場の記録や報告書の作成なども行います。また、業務に必要な資料作りでWordやExcelを使う機会もあるため、簡単なパソコン知識も必要です。
勤務中に報告書の作成が終わらなかった場合、非番時に出勤して報告書を作成することもあります。事務業務はやりがいを感じられる場面は少ないかもしれません。
しかし、今後似たような症例に当たった時に、他の隊員が素早く行動できるためのものだと考えることもできます。業務の種類に関わらず、意味のあることをやっているという自覚を持つことが大切です。
身体を動かすだけが消防士だと思っていると現実とのギャップを感じるかもしれません!
その他雑務
ここまで紹介した業務以外にも、雑務として様々な業務があります。具体的な雑務は、以下の通りです。
- 訓練の準備や片付け
- 体力錬成
- 食事作り
- 掃除や洗濯
- 来客のコーヒー出し
さらに、食材の注文やお風呂掃除、ゴミ袋の取り替えなど細かい部分の雑務も全て自分たちで行います。特に、新人消防士が雑務を全てこなす消防署も多く、きついと感じる方も少なくありません。
雑務も消防士としてのやりがいを感じるのは難しいですが、効率的に早く終わらせた分だけ訓練の時間も多く確保できます。訓練が充実すれば、現場でも活躍できる機会が増えるため、自分のためになると思って頑張りましょう。
結果として、消防士の業務に繋がることを想像すればモチベーションを保ちやすいです!
消防士としてやりがいを感じた瞬間
消防士として働いてみてやりがいを感じた瞬間は、以下の通りです。
- 市民の方に感謝される
- 子供たちから憧れのまなざしで見られる
- 自分自身の成長が感じられる
仕事を通じてやりがいを感じられるかどうかは、モチベーションにも関わるため非常に重要です。消防士を目指す中で「こんなやりがいを感じられれば仕事を続けられそう」という項目があるかどうかも確認してみましょう。
人によってやりがいを感じる部分は様々です!
1位:市民の方に感謝される
消防士としてやりがいを感じる部分としては、市民の方に感謝されるということが挙げられます。消防士が向かう現場は、命を預かるようなものがほとんどです。そのため、到着した時点で助けられない傷病者もいます。
しかし、自分達の救助・救急活動によって助かる命も多いです。そして、命を助けた本人はもちろん家族からも大変感謝されます。自分達がいなければ亡くなっていた可能性もあることから「自分達のおかげで命を救うことができた」と感じる場面も多いです。
市民の方からの感謝と自分の仕事が誰かの役に立っていることが身に染みて感じられる部分から、やりがいを感じられます。
現場で命を助けられた時が「やってて良かった」と感じられます!
2位:子供たちから憧れのまなざしで見られる
消防士としてのやりがいは、子供たちから憧れのまなざしでも感じられます。消防署は昼間の間ガレージが空いているため、外からでも消防車や働いている消防士を見ることが可能です。時々、子連れの方が消防署前を通ることがあり、子供が憧れのまなざしで消防士達を見ています。
子供からしたら、大きくてかっこいい車と鍛え上げられた消防士は憧れでしかありません。そんな子供達を消防車に乗せてあげることで非常に喜んでもらえます。
また、外で警戒活動に当たっている際にも、消防車に手を振ってくれることが多いです。普段から、子供達の憧れる職業に就いているという意識がやりがいに繋がると感じる人もいます。
意外と子供達と触れ合う機会も多いんです!
3位:自分自身の成長が感じられる
消防士として働いていると、自分自身の成長が感じられることでもやりがいを感じられます。まずは「体力面」です。消防士になる前に鍛えていたとしても、消防士の訓練や体力錬成は非常にハードです。そのため、ほとんどの人が消防士になってから体力が付いたと実感すると思います。
また「人間的な成長や資格取得」でも成長を感じられます。消防士の現場の中には、悲惨なものも多いです。悲惨な現場を経験することで、より強い信念を持てたり人間として立派な考えを持ったりできます。さらに、救急救命士や潜水士免許など活躍の場を広げるための資格取得でも成長を感じられるでしょう。
以上のように、消防士として働いていると自分自身が成長を感じられる部分が多いです。そのため、成長を感じられることがやりがいに繋がるという方は、消防士に向いています。
「自分自身が成長したい」と考えている方に消防士は最適です!
消防士として実際に働いてわかったこと
消防士として実際に働いてみると、働く前にはわからなかったことがわかります。良い部分もたくさんありますが、悪い部分が見えてくることもあります。
憧れだけを持って消防士になってしまうと、理想と現実のギャップで後悔する可能性が高いです。入社後に後悔しないためにも、実際に働いた経験をもとに良い部分と悪い部分を解説します。
経験者の意見をもとに自分が消防士としてやりがいを持って働けそうかどうかを考えてみましょう!
良い部分
消防士として実際に働いてわかった良い部分は、以下の通りです。
- 市民の方と関わる機会が多い
- 健康的な身体になる
- 料理や掃除・洗濯など何でも出来るようになる
消防士の仕事は、やりがい以外の々な部分でもメリットを感じられます。人によっては、どんな部分がやりがいに繋がるかわかりません。そのため、実際の経験をもとにした良い部分を理解し、自分にとって良い部分となるかどうかを判断しましょう。
良い部分だと感じるかは人によって違います!
市民の方と関わる機会が多い
消防士として実際に働いてみて、市民の方と関わる機会が多いと感じました。市民の方と触れ合うことでコミュニケーション能力が付いたのが良いと感じる部分です。他にも、消防のことを聞かれる機会も多く、自分自身が再度確認することでより深い学びに繋がることもあります。
インプットだけでなくアウトプットを行うことで学びを深められます!
市民の方と関わるのは災害出動時だけではありません。消防に関わることを聞くために、市民の方が消防署に訪問してくることも多いです。市民と関わることも消防士としての業務であり、自分の成長にも繋げられるのが良い部分です。
健康的な身体になる
消防士として実際に働いてみると、健康的な身体になるのが良い部分だと感じました。消防の仕事の多くは、身体を動かすことです。災害出動や訓練、体力錬成など勤務中の多くで身体を動かします。定期的に身体を動かすことによって、健康的な身体を保つことが可能です。
また、災害現場で市民の方を助けるためには、自分自身が健康でなければいけません。消防士として働くことだけでなく、自分自身の人生のためにも健康的な身体作りは非常に重要な要素です。
同世代の人と比較しても体型がしっかりしていて健康的な人が多いです!
料理や掃除・洗濯など何でも出来るようになる
消防士として実際に働いて見ると、料理や掃除・洗濯など何でも出来るようになることが良い部分だと感じました。消防本部の多くは、自分たちで料理や掃除・洗濯などを行います。元々家事全般が苦手でも、業務をこなす中で自然と身に付けられます。
消防士としてだけでなく、人間として一人前になれたと感じやすい部分ではあるため、やりがいに繋がる可能性も高いです。
中でも料理は細かい部分まで覚えられました(笑)
悪い部分
消防士として実際に働いてわかった悪い部分は、以下の通りです。
- 生活リズムが乱れやすい
- いつ災害が起きてもおかしくないという緊張感がある
消防士は特殊な勤務体系や環境から、肉体的・精神的にデメリットもあります。どんな部分が悪いと感じるかを理解しておくことで、働く前から対策を立てられるでしょう。
慣れるまでにどうしても時間がかかってしまいます。
生活リズムが乱れやすい
消防士として実際に働いてみて、生活リズムが乱れやすいことが悪い部分だと感じました。
消防の勤務体系は「2交代制」または「3交代制」でスケジュールが組まれています。2交代制とは、当直と非番を1日ずつ繰り返す勤務体系のことです。3交代制は、当直と非番を繰り返し、定期的に日勤業務が入ります。言葉の意味に関しては、以下を参考にしてください。
- 当直:24時間制で災害出動などに対応
- 非番:基本的には休みだが災害で呼び出される可能性がある待機日
- 日勤:朝から夕方までデスクワークを中心に行う
- 週休:非番とは異なり完全な休日
当直では、24時間(当日の朝から翌日の朝まで)勤務となります。夜に仮眠は取れますが、出動があれば現場に向かわなければいけません。消防士として働いていると、夜に寝て朝に起きるという一般的なサイクルでの生活が難しくなります。そのため、生活リズムが乱れやすくストレスに感じる可能性もあります。
生活リズムが崩れると体調を崩しやすい方は要注意です!
2交代制や3交代制、1日のスケジュールをより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
いつ災害が起きてもおかしくないという緊張感がある
当直日に勤務している間は、いつ災害が起きてもおかしくないという緊張感があります。
ご飯を食べている時やお風呂に入っている時、仮眠を取っている時など、いつ出動要請がかかってもおかしくありません。そのため、24時間は常に緊張状態であり、心を落ち着かせられる可能性は低いです。
今までの生活の中で、1日中ずっと緊張していたという経験がある人の方が少ないと思います。ただ、辛いのは最初の頃だけです。身体が慣れてしまえば、無意識に災害出動に備えて心構えができるようになります。
仮眠は取れますが、十分な睡眠は取れないことがほとんどです!
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消防士としてのモチベーションを保ちつつ、最大限のパフォーマンスを発揮するためには、やりがいを感じられるかどうかが重要です。現在消防士を目指している方でも、入社前にやりがいを感じられそうかを把握しておきましょう。
また、消防士の仕事内容や働き方は、一般的な企業とは大きくかけ離れています。
そのため、やりがいを感じる部分も外からは見えづらく、実際に働いた経験のある方に話を聞くのが最も有益です。しかし、身の回りに現役消防士や消防士OBがいないという方も多いと思います。
そんな方には「東消塾」がおすすめです。東消塾は、消防士採用試験合格に特化したオンラインスクールです。講師には、東京消防庁を始めとする多くの消防士OBが在籍しています。そのため、試験対策だけでなく消防に関する様々な意見を参考にできるでしょう。
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