消防士になるためのオンラインスクール「東消塾」の講師と代表を務めるTOMO LABOです。
社会的・経済的に成功した人や、自分の夢を実現した人のことを「勝ち組」と呼びます。
消防士の中には、田舎や地方の消防署で働くよりも、東京消防庁に入ったほうが勝ち組だと考える人も一定数いることでしょう。
今回の記事では、そんな「勝ち組」というイメージについて、知り合いの東京消防庁の消防士と、田舎・地方の消防士複数人に対し、それぞれの土地で勤めるメリット・デメリットを聞くことで、何を持って「勝ち組」と思うのかを判断し、まとめました。
この記事を読むことで、東京消防庁か、田舎・地方の消防署か、自分にとってどちらが良いのかを考えるきっかけになるはずです。
僕は東京消防庁に勤めていた経歴がありますが、実際は仕事に優劣などなく、勝ち組・負け組など存在しませんので、そこは念頭に置くように!
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東京消防庁に入るほうが勝ち組だと感じる理由
「東京消防庁に入るほうが勝ち組」だと感じる理由を、複数人の消防士から聞いた内容をもとにまとめました。
東京消防庁採用試験の難易度は、他の消防署の試験難度よりも高い傾向にあり、合格する人は限られます。
そこで受けられる待遇、置かれる環境は、厳しい受験を勝ち抜いたことで得られるものです。
「東京消防庁に入ったから勝ち組」だと感じた人は、なぜそう感じたのか、より詳しく解説していきます。
ちなみにですが、東京消防庁は、仕事をガツガツやっていきたい人に合っています!
他の自治体よりも給料が高いから
東京消防庁の平均給与は、他の自治体の消防士と比べて高い水準です。
わかりやすいように、夕張市(北海道)・東京消防庁(東京)・名古屋市(愛知県)・沖縄市(沖縄県)における初任給(高卒程度資格者)の違いを表にまとめました。
消防本部 | 給料 |
---|---|
夕張市消防本部 | 約144,100円 (令和4年4月1日現在) |
東京消防庁 | 約221,800円 (令和5年1月1日現在) |
名古屋市消防局 | 約181,700円 (令和4年3月1日現在) |
沖縄市消防本部 | 約150,600円 (令和4年4月現在) |
上の表を見ると、東京や名古屋市など都市部の初任給が高く、地方の消防本部の初任給は比較的少ないことがわかります。
やはり試験難度が高いのと、人口が多いというだけあり、東京消防庁に勤める消防士の給料は、全国の消防士の中でもNo.1。
そのため、東京消防庁に勤めることで勝ち組になったという気持ちになる人が多いそうです。
確かに僕自身、他の都道府県で消防士をしている仲間よりも給料が高く、羨ましがられました。
消防に関するスキルが身に付きやすいから
東京消防庁が位置する東京都は、人口が日本で1番多いため、どうしても火災や事件の件数が多くなりがちです。
おのずと出動回数が増えるため、実践的な業務が多くなり、消防に関するスキルが身につきやすくなります。
逆に人口が少ない地域や、犯罪件数が少ない地域では出動回数が増えず、特殊な現場に遭遇できないため、知識や技能の習得は訓練頼りに。
そのため、実践での経験値が高くなる東京消防庁の方が、田舎や地方の消防士よりもよいと感じる人がいるそうです。
2022年の東京都における火災件数ですが、なんと3,950件でした。火災以外にも消防員が出動する現場はあるため、出動回数はより多くなります。
部隊の種類が多く目標の幅が広がるから
東京消防庁は、消防隊・はしご隊・救急隊・救助隊・指揮隊の基本的な5部隊以外にも、以下の特殊部隊があります。
- 【特別救助隊】
火災・事故・自然災害などあらゆる災害に対応 - 【水難救助隊】
水難事故・河川への転落事故に対応 - 【山岳救助隊】
登山道からの滑落・山岳事故に対応 - 【消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)】
大規模災害に対応 - 【航空消防救助機動部隊(エアハイパーレスキュー)】
ヘリコプターに搭乗し陸上からのアプローチがしづらい場面に対応 - 【即応対処部隊】
広域自然災害に対する先遣隊 - 【国際消防救助隊】
海外で大規模な災害が発生したときに派遣される
部隊が多いとそれだけで目標の幅が広がり、選択できる未来の幅も広がります。
もちろん、特殊なスキルが必要な部隊に入るのは難しいですが、選択肢が多いという部分で、東京消防庁に入れば勝ち組だと感じる人もいるそうです。
田舎・地方の消防士のほうが勝ち組だと感じる理由
人口の少ない田舎・地方の消防士になるほうが勝ち組だと感じる人もいるそうです。
地方といっても大阪や名古屋など、人口が多い地方の自治体にある消防署は除きます。
「田舎・地方に入ったから勝ち組」だと感じた人は、なぜそう感じたのか、より詳しく解説していきます。
ちなみにですが、人口が少ない自治体の消防署は、幅広い仕事を任されたい人におすすめです!
出動回数が少ないから
田舎・地方は都市部と比べて人口が少ないため、消防士が出動する火事・事件の件数がそもそも少なくなります。
出動回数が少ないと時間外労働がなくなり、疲れも残らず、非番の日に丸1日活動することも可能です。
ただし出動回数に応じてもらえる手当がもらえなかったり、実践的なスキルが身につきづらかったりと、デメリットもあります。
しかし、身体への負担が少なく、プライベート時間をより充実させたい人は、人口が少ない自治体の消防士になったほうが勝ち組だと感じられるでしょう。
1日で1回も出動がない日もあるそうです!
さまざまな部隊を兼任できるから
人口の少ない田舎・地方の消防署は、職員数が少ないため、消防士が1つの部隊を専門的に請け負うのではなく、複数の部隊を兼任することがほとんどです。
東京消防庁では救急救命士は救急隊を専門的に担当しますが、職員数が少ない田舎・地方では、はしご隊として出動することもあります。
オールマイティーにいろんな業務を請け負いたい人は、人口が少ない自治体の消防署に勤めるほうが、勝ち組だと感じられるでしょう。
逆に、専門的で高度な知識・技術を身につけたいという人は、田舎・地方は向いていません!
職員数が少なく人間関係がシンプルだから
都会の消防署と違い、隊員数が少ない田舎・地方の消防署は、消防士の数が圧倒的に少なめです。
その分人間関係がシンプルになり、距離感が近くなることで、理不尽な上下関係が生まれづらくなります。
ただし、1人でも人間性が低い上司がいると、その人とも距離が近くなってしまうというのがデメリットです。
やっぱり少人数の職場のほうが、人間関係を築きやすくなりますね!
階級が上がりやすいから
これも職員数が少ないことが理由ですが、田舎・地方の消防士は階級が上がりやすいというメリットがあります。
消防士は昇任試験に受かることで昇級するのですが、昇任試験による昇級には限界があり、それ以上の階級を目指そうと思ったら、特別な選考や推薦を受けることが必要です。
「田舎・地方の消防署で職員数が少ない = 競争相手が少ない」ということなので、東京消防庁や都市部の消防署よりも、比較的昇級はしやすくなっています。
昇級することで給料も増えるため、順調に昇級して行けば、勝ち組だと思える日もそう遠くはありません。
もちろん田舎だとしても、それなりのポジションに付くのは大変です!
消防士が勝ち組だと思える理由
先ほどは「東京消防庁の消防士」と「田舎・地方の消防士」は、どちらが勝ち組と思えるのかをお伝えしてきました。
この章では、そもそも「消防士という職業自体が勝ち組なのか」どうかについて解説していきます。
地方公務員だから
消防士は地方公務員の1種なので、公務員としてのさまざまなメリットが享受できます。
- 福利厚生が充実している
- 雇用が安定している
- 社会的信用度が高い
- 仕事上で数字に追われない
社会的な信頼度が高いと、賃貸やクレジットカード、ローンの審査に通りやすくなります。
さらに、消防士が一般的なサラリーマンと大きく違うのは、ノルマなどの数字に追われないということです。
一般企業に勤める人とは違った良さが感じられるという点では、消防士は勝ち組だと言ってもよいでしょう。
他の職業よりも休みが圧倒的に多いから
消防士はひと月の出勤日数が約11日前後と、普通の仕事と比べて圧倒的な休日数です。
その代わり、1日の勤務が24時間拘束という特殊なものになっています。
24時間拘束とはいえ仮眠時間がありますし、生活リズムに慣れればどうということはなく、だんだんと「休みが多すぎる」とさえ思うようになるでしょう。
仕事とプライベートの時間がしっかりと分けられるのは、休みなく働く他の仕事と比べ、消防士は勝ち組だなと感じられる理由の1つです。
有給を使えば、年に何度も長期休暇を作ることもできます!
仕事にやりがいを感じられるから
消防士がおこなう業務はすべて、地域社会への貢献に繋がります。
消防活動を通じて誰かを救ったときには、直接「ありがとう」と声をかけてもらえる、素晴らしい仕事です。
直接世の中の役に立っていると感じられると、やりがいを感じることはもちろん、自己肯定感も高まります。
もし身体を動かすのが好きで、直接社会貢献できていると実感できる仕事が理想だと考えている人の場合、デスクワーク中心の仕事をするよりも、消防士になるほうが勝ち組だと感じられるでしょう。
責任感はもちろんありますが、とてもおもしろい仕事だと感じました!
消防士が勝ち組ではないと思う理由
ここまでで、消防士の良いところをたくさん紹介してきました。
最後に、逆に消防士は勝ち組ではないと思う理由について解説していきます。
正直なところ、上記の項目に対して「大変そう、ツラそう」と感じる人は、消防士には向いていません。
給料が欲しければ、大手企業に入るべきですし、厳しい環境化で仕事ができないのなら、責任を伴わないような仕事を選ぶべきです。
24時間拘束は、どの消防署に配属されても決して変わらない勤務体系なので、そもそもこれが嫌な人は、消防職員の中でも事務員を目指すか、定時で仕事をする一般企業を目指すとよいでしょう。
これらすべての項目を見た結果、気にならない人だけが消防士としてやっていけます。
地方公務員の中では年収が低いから
消防士の年収は、地方公務員の中でも比較的低い傾向にあります。
令和3年に総務省が発表した「地方公務員給与実態調査」をもとに、他の地方公務員との年収比較を、以下の表にまとめました。
職種 | 平均年収 (賞与や諸手当を除く) |
---|---|
消防職 | 3,612,996円 |
警察職 | 3,897,648円 |
一般行政職 | 3,792,480円 |
小・中・幼稚園 教育職 | 4,225,188円 |
消防士は他の地方公務員の中でも年収が低いですが、先ほどもご紹介したとおり、休日数がとても多い職業です。
危険を伴う仕事なので、もう少し貰ってもいいかなと思うこともありましたが、休日の多さを考えると、むしろ貰い過ぎではないかと思うこともあります。
ただし数字だけ見ると、確かに消防士は勝ち組だとは思えない年収の低さです。
とはいえ、自分の頑張り次第で年収はある程度上げられます!
厳しい環境下で仕事をしなければならないから
消防士は人の命を預かる責任ある仕事なので、厳しい環境下で働くのは当たり前です。
消防署内でも現場でも常に厳しい環境下で、理不尽なことで怒られたり、身に危険が及んだりすることはよくあります。
そのためストレスが溜まりやすく、ツラさを感じるたびに「勝ち組ではないな」と感じてしまう人も。
しかし、ツラいことを乗り切った先に得られるものがあります!
24時間拘束の長時間労働だから
消防士は普通のサラリーマンとは異なり、1日の拘束時間が24時間と非常に長いです。
長時間労働をさせられていると感じてしまうと、消防士は負け組だと思ってしまうことでしょう。
確かに勤務日(当直)はツライですが、次の日は休み(非番)になるため、総労働時間でいえば、他の職業とそこまで変わりません。
リズムに慣れればどうということはないですが、身体が慣れない初期の頃は、消防士よりも他の仕事のほうがよく見えてしまうことがあるでしょう。
消防士は公務員なので、長時間労働が続くブラック企業ではありません!そこは安心できます。
まとめ:東京消防庁で勝ち組になれるかどうかは頑張り次第
「東京消防庁=勝ち組」ということは決してありません。
どの消防署に勤めたとしても、その人の頑張り次第で未来は変わります。
東京消防庁と田舎・地方の消防署は、どちらも一長一短あるため、自分に合った自治体の消防署を選びましょう。
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