元東京消防庁職員で、現在は消防士の採用試験合格に特化したオンラインスクール「東消塾」を運営している友口です!
もしあなたが消防士を目指しているならば、将来自分が働く組織がどのようなものなのか、理解しておく必要があります。
しかし消防士の組織構成は複雑で、どのように分かれているのか理解しづらいと感じる人も多いでしょう。
そこで今回の記事では、消防署と消防本部の違いやそれぞれの役割について解説していきます。
仕事に関する理解を深め、消防士を目指すモチベーションを高めていきましょう。
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消防署と消防本部の違いを解説
消防署と消防本部の違いは、言葉の意味を知れば理解しやすいでしょう。
「署」は分担の定まった役所・部署のことを指しますし、「本部」は組織活動の中枢となるところを指します。
このように言葉の意味からイメージすれば、消防署よりも消防本部のほうが大きな機構だとわかりますね。
イメージが掴めたところで、それぞれの違いについてさらに詳しく見ていきましょう。
消防組織法がそれぞれの違いを定義している
消防署と消防本部の違いは、消防組織法で定義されています。
第十条 消防本部及び消防署の設置、位置及び名称並びに消防署の管轄区域は、条例で定める。
2 消防本部の組織は市町村の規則で定め、消防署の組織は市町村長の承認を得て消防長が定める。
第十二条 消防本部の長は、消防長とする。
2 消防長は、消防本部の事務を統括し、消防職員を指揮監督する。
第十三条 消防署の長は、消防署長とする。
2 消防署長は、消防長の指揮監督を受け、消防署の事務を統括し、所属の消防職員を指揮監督する。
消防組織法 | e-Gov法令検索
第十条を見ると、消防署は消防長(階級)が定めている組織です。
続いて第十二条を見ると、その消防長は消防本部を統括する存在だとわかりますね。
第十三条では、消防署長が消防長の指揮監督を受けていることが明記されているため、すべてまとめると以下のような順で組織されていることがわかります。
消防本部(消防長がトップ)> 消防署(消防署長がトップ)
ちなみに総務省消防庁の資料(外部サイト)によると、平成28年4月1日現在のデータでは、消防本部が733本部、消防署が1,714署だったようです。
消防署よりも小規模な「出張所」「分署」もある
すべての地域の消防をカバーしようとした場合、消防本部と消防署を合わせた数だけではカバーしきれません。
しかし消防署のもとに、より小規模な「出張所」や「分署」を設けることで、日本各地どこでもすぐに消防士が駆けつけられるようになります。
分署は出張所よりも規模が大きく、より消防署に近い設備が整っているのが特徴です。
出張所と分署の人から見て消防署は「本署」と呼ばれますが、どちらも位置づけとしては「消防署」として一括りにされます。
消防”局”はどの立ち位置なのか
結論から言えば、消防局は消防本部の名称を変えただけで、機能や規模に差はありません。(消防局=消防本部)
なぜまったく同じ機構なのに名前が違うのかと言うと、これもまた消防組織法が関係しています。
先ほどご紹介した中に、以下のような条文がありました。
第十条 消防本部及び消防署の設置、位置及び名称並びに消防署の管轄区域は、条例で定める。
消防組織法 | e-Gov法令検索
「消防局」という機構は消防組織法に出てこないのですが、上記の通り、名称は市町村が条例で自由に定められるんですね!
消防局と消防本部は機能としての差はありませんが、基本的には政令指定都市(例:愛知県・名古屋市)や人口の多い中核市(例:神奈川県・横須賀市)では「局」という名称を使用しており、もう少し規模の小さい市(例:埼玉県・春日部市)では「本部」としています。
消防署・消防本部の役割や仕事内容の違い
消防署と消防本部は、そもそも能力や規模に差があるため、役割や仕事内容が異なるのは当然です。
消防本部のほうが大きな仕事を担っていて、消防署のほうがより現場に近い仕事を担っています。
それぞれにどのような違いがあるのか、より詳しく解説していきます。
消防署の役割・仕事内容
消防署に配属されている消防士のほとんどが、24時間勤務をシフトで回す「交代制勤務」という勤務体制を取っています。
交代制勤務をする消防士は、一般的な消防士のイメージである消防活動が主な仕事です。
出動要請を受けて現場に急行し、消防隊・救急隊・救助隊・救急隊・指揮隊など複数の部隊に分かれて消火・救出活動などを行います。
消防本部の役割・仕事内容
消防本部に配属されているのは、平日の日中に勤務する「毎日勤務」という勤務体制を取る職員たちです。
毎日勤務をする消防職員は、主に総務や企画、人事、施設や地域住民への予防活動や危険物指導等を行います。
交代制勤務の消防士もいますが、現場に出るよりも通信や司令管制等、現場に出ない業務が大半です。
消防士の働き方について詳しく知りたい人は、以下の記事も合わせてご覧ください!
消防署・消防本部で働くそれぞれのメリット・デメリット
消防署と消防本部の仕事内容に違いがあることから、将来どちらで働きたいのか迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで、この章ではそれぞれの機構で働くメリット・デメリットを紹介していきます。
消防署で働くメリット・デメリット
消防本部で働くメリット・デメリット
消防士1年目は基本的に消防署へ配属される
新人の消防士がいきなり本部に配属されることはありません。
本部に配属されている職員のほとんどが消防署長クラスですので、新人はまず消防署に配属されます。
消防署長にならずとも本部に配属されることもありますが、消防士として最低でも5年は働かなければその機会もないでしょう。
将来有望な若手職員なら、人事に引き抜かれる可能性もあります!
【番外編】東京消防庁について
ここまでで「消防署と消防本部の違い」について理解できたかと思いますが、東京消防庁はどうなのかという疑問が浮かぶのではないでしょうか。
結論から言えば、東京消防庁は東京都が特別区(23区)に設置している消防本部です。
東京消防庁には、日本の消防士の中で最高位の階級で、全国で1人しかいない「消防総監」が在籍しています。
東京消防庁と消防庁の関係性とは
東京消防庁は「庁」という名称が使われていますが、あくまで東京都の行政機関です。
それに対し、総務省消防庁は国の行政機関であり、在籍する職員も国家公務員しかおらず、消防士のように地方公務員ではありません。
消防庁と言う場合は、東京消防庁ではなく総務省の消防庁を指します!
場合によっては消防士が消防庁に出向することもありますが、これも相当勤務成績が良い職員でなければ選ばれません。
出向する場合も籍は元の職場にあるため、国家公務員になれるわけではないので注意しましょう。
消防署と消防本部の違いについてのまとめ
消防署と消防本部の違いについて知っておきたいことのまとめです。
- 消防本部は消防署よりも能力・仕事内容の規模が大きい
- 消防局や東京消防庁は、消防本部と同じ位置づけ
- 消防署勤務は消火活動や救助活動等の現場仕事が多いが、消防本部勤務になるとデスクワークが主な仕事になる
- 新人はまず消防署勤務から始まり、キャリアを積まなければ本部勤務にはなれない
消防士を目指している人は将来、自分が消防署と消防本部のどちらに勤務したいのかビジョンが浮かんだのではないでしょうか。
しかし自分の夢を叶えるためには、まずは消防士の採用試験に合格しなければなりません。
もし本気で消防士になりたいと思うなら、「東消塾」の無料相談を受けるところから始めてみましょう。
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