地方公務員の地域手当とは?支給基準や地域ごとの割合一覧も紹介

本記事の内容は、消防士以外の地方公務員にも共通する内容となっています。

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東京消防庁採用試験の対策に特化したスクール「東消塾」を運営している、TOMO LABOです!

あなたが消防士として働こうと思った際、どの自治体の消防を受験するのかは非常に重要です。

地域によってかかる生活コストやもらえる給与、受けられる待遇が違いますし、1つの不安材料にもなることでしょう。

そんな不安をなくすためにも、地域手当の存在を知っておくことは、受験先を決める際に大きく役立ちます。

今回の記事では、地方公務員がもらえる地域手当について、その概要や支給基準、地域ごとの支給割合を詳しくご紹介。

今後の生活に対する不安を少しでも無くすためにも、ぜひ最後までご覧ください。

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今回ご紹介するのは、主に地方公務員の地域手当に関してです!国家公務員とは多少異なる点がありますので、ご注意ください。

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目次

地域手当は地域ごとの生活格差を埋めるための手当

地域手当は地域ごとの生活格差を埋めるための手当h2

地域手当は、特定の地域で労働している人に対し、生活費の高さを補うためなど、地域間の生活コストの差を緩和することを目的とした手当です。

公務員の場合は、国や自治体が支給額を定めていますが、一方で民間企業では、企業ごとに基準が異なるため支給額は一律ではありません。

地域手当は、勤務地の経済的負担に応じて変動するため、それにより勤務地選択の公平性が保たれ、従業員の生活の質を支援する重要な役割を担っています。

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ちなみに、民間企業は(法的な規定がないため)地域手当がない場合がほとんどです。あるのは、全国に事業所があるような会社のみでしょう。

貰える地域手当にも種類がある

地域手当の中には、勤務地の特性に合わせた複数の手当が存在し、それぞれ異なる目的と条件で支給されます。

地域手当の種類
  • 【都市手当】
    都市部での高い生活費を補助するために設定されている手当。主な対象地域として、東京都・大阪府・京都府などが挙げられる。大規模な空港周辺の地域も、他の地域より物価が高いため、都市手当の支給額も高くなる。
  • 【寒冷地手当】
    積雪や厳しい寒さによって、暖房等の電気代がかさむ地域において、冬季にかかるコストをカバーするために支給される手当。主な対象地域として、北海道や東北地方、北陸地方の一部が挙げられる。
  • 【特地勤務手当】
    山間部や離島など、特別な地理的条件下で勤務をする人に対して支給される手当。主な対象地域として、小笠原諸島や奄美地方が挙げられる。

上記の地域手当以外に、現職場から60km以上離れた職場に移動する際に支給される「広域異動手当」も存在しますが、支給対象は国家公務員のみとなっています。

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初任給が高い自治体は、これらの地域手当が給料にプラスされているからなんですね!

地域手当の計算方法

国が基準として定めている地域手当の計算方法は、以下のとおりです。

地域手当=基本給 × 支給割合

例えば、基本給が30万円、地域手当の支給割合が10%の地域で勤務している場合、貰える地域手当は「30万円 × 0.1=3万円」となります。

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支給割合は各市区町村によって異なりますので、後ほど詳しく紹介します。

2024年に地域手当の見直しが実施

地域手当の支給地域・支給割合は、人事院の規定によって10年ごとに見直すことが定められています。

その“10年ごと”の年が、今年2024年です。(2024年5月現在では未実施)

地域手当の見直しに向け、公務員連絡会は人事院に対して「2024年度賃金・労働条件に関わる基本要求」を提出しました。

地域手当に関する内容を要約すると、以下の3点が記載されています。

公務員連絡会が人事院に対して提出した要求
  • 地域手当の非支給地において、初任給水準が大卒・高卒ともに大きく民間を下回っているため、俸給月額引き上げ時にはその点を重視すること
  • 地域手当の調整方法について、その基本的な方向性を速やかに明らかにすること
  • 寒冷地手当や特地勤務手当など、関連して見直しが実施される手当についても、同様にその方向性を示すこと

上記要求に対する人事院の回答を、地域手当に関してのみ要約しました。

人事院が公務員連絡会に対してした回答
  • 地域手当については、最新の民間賃金を反映する
  • 現在は市町村単位で分けている地域手当の支給割合を、より広域化する
  • 特地勤務手当については、国勢調査等の最新結果を分析中であるため、支給地域の見直しは現在検討中である
  • 寒冷地手当については、気象庁が公表した最新気象データを分析中であるため、見直しは現在検討中である

新型コロナウイルスの影響により、テレワーク等が普及したため、地方への人口移動も増えたはずです。

おそらく2024年におこなわれる地域手当の見直しでは、上記のような影響も考慮した内容になると考えられます。

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地域手当は廃止を要望する声もあるくらいですので、支給率の増減は、正直読めないところがありますね。

市区町村ごとに地域手当の支給割合を紹介

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人事院規則をもとに、地域手当がもらえる市区町村を、都道府県ごとに分け、支給率とともにご紹介します。

自分が働こうと思っている地域では地域手当がどのくらいもらえるのか、チェックしてみましょう。

都道府県市区町村支給率(%)
北海道札幌市3%
宮城県多賀城市10%
仙台市6%
名取市3%
茨城県取手市、つくば市16%
守谷市15%
牛久市12%
水戸市、日立市、土浦市、龍ケ崎市10%
古河市、ひたちなか市、神栖市6%
笠間市、鹿嶋市、筑西市3%
栃木県宇都宮市、大田原市、下野市6%
栃木市、鹿沼市、小山市、真岡市3%
群馬県高崎市6%
前橋市、太田市、渋川市3%
埼玉県和光市16%
さいたま市、志木市15%
東松山市、朝霞市12%
坂戸市10%
川越市、川口市、行田市等多数6%
熊谷市3%
千葉県袖ケ浦市、印西市16%
千葉市、成田市15%
船橋市、浦安市12%
市川市、松戸市、佐倉市等10%
野田市、茂原市等多数6%
木更津市、君津市、八街市3%
東京都特別区(東京23区)20%
武蔵野市、調布市等多数16%
八王子市、青梅市等多数15%
立川市、東大和市12%
三鷹市、あきる野市10%
東久留米市6%
武蔵村山市3%
神奈川県横浜市、川崎市、厚木市16%
鎌倉市15%
相模原市、藤沢市12%
横須賀市、平塚市等10%
三浦市、秦野市等6%
新潟県新潟市3%
富山県富山市3%
石川県金沢市、河北郡内灘町3%
福井県福井市3%
山梨県甲府市6%
南アルプス市3%
長野県塩尻市6%
長野市、松本市、諏訪市、伊那市3%
岐阜県岐阜市6%
大垣市、多治見市、美濃加茂市、
各務原市、可児市
3%
静岡県静岡市、沼津市、磐田市、御殿場市6%
浜松市、三島市、富士宮市、富士市、
焼津市、掛川市、藤枝市、袋井市
3%
愛知県刈谷市、豊田市16%
名古屋市、豊明市15%
西尾市、知多市、みよし市10%
岡崎市、瀬戸市、春日井市、豊川市、津島市、
碧南市、安城市、犬山市、江南市、田原市、
弥富市、西春日井郡豊山町
6%
豊橋市、一宮市、半田市、
常滑市、小牧市、海部郡飛島村
3%
三重県鈴鹿市12%
四日市市10%
津市、桑名市、亀山市6%
名張市、伊賀市3%
滋賀県大津市、草津市、栗東市10%
彦根市、守山市、甲賀市6%
長浜市、東近江市3%
京都府京田辺市12%
京都市10%
宇治市、亀岡市、向日市、木津川市6%
大阪府大阪市、守口市16%
池田市、高槻市、大東市、門真市15%
豊中市、吹田市、寝屋川市、
箕面市、羽曳野市
12%
堺市、枚方市、茨木市、八尾市、
柏原市、東大阪市、交野市
10%
岸和田市、泉大津市、泉佐野市、富田林市、
河内長野市、和泉市、藤井寺市、泉南市、
阪南市、泉南郡熊取町、泉南郡田尻町、
泉南郡岬町、南河内郡太子町
6%
兵庫県西宮市、芦屋市、宝塚市15%
神戸市12%
尼崎市、伊丹市、川西市、三田市10%
明石市、赤穂市6%
姫路市、加古川市、三木市3%
奈良県天理市12%
奈良市、大和郡山市10%
大和高田市、橿原市、香芝市、北葛城郡王寺町6%
桜井市、宇陀市3%
和歌山県和歌山市、橋本市6%
岡山県岡山市3%
広島県広島市10%
三原市、東広島市、廿日市市、
安芸郡海田町、安芸郡坂町
3%
山口県周南市3%
徳島県徳島市、鳴門市、阿南市3%
香川県高松市6%
坂出市3%
福岡県福岡市、春日市、福津市10%
太宰府市、糸島市、糟屋郡新宮町、糟屋郡粕屋町6%
北九州市、筑紫野市、糟屋郡宇美町3%
長崎県長崎市3%

上記の表では、支給割合がわかりやすいよう、1級地を20%、2級地を16%、3級地を15%、4級地を12%、5級地を10%、6級地を6%、7級地を3%と記載しています。

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記載のない市町村では、そもそも地域手当がもらえませんので注意しましょう!

地域手当の問題点について

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先ほど、2024年におこなわれる「地域手当の見直し」の章でも軽く触れましたが、現在の地域手当の制度には、いくつか問題視されている点があります。

地域手当の問題点
  • 生活圏における経済状況があまり考慮されていない部分がある
  • 同じ職務であるにもかかわらず、地域手当が一切もらえない地域がある一方で、20%もの高い比率で地域手当が支給される地域がある
  • 隣接している市で、ほとんど生活コストは変わらないのに、市が違うというだけでもらえる地域手当の比率が下がる場合がある

上記のような問題をかんがみて、過去の見直しでは、地域間の生活コスト差を埋めるため、地域手当の引き上げが実施された地域もありました。

しかし「10年ごとの見直し」というのは、情勢が変わるには十分すぎる期間であるため、見直しする機関を短縮するように検討するべきだ、という声も上がっているそうです。

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明らかな格差が生まれていると感じれば、不満の声が上がるのも当然ですね。

地域手当についてのまとめ

地方公務員の地域手当についてのまとめです。

この記事で覚えておきたいこと
  • 地域手当は、地域間の生活コストの差を緩和することを目的とした手当
  • 地域手当には、都市部の高い生活費をまかなうための「都市手当」、寒冷地における暖房器具等のコストをまかなうための「寒冷地手当」、山間部や離島など特別な地域で勤務をする人に支給される「特地勤務手当」がある
  • もらえる地域手当は「基本給 × 支給割合」で計算できる
  • 2024年に地域手当の見直しがおこなわれる予定

地域手当は、どの地域で働いたとしてもある程度公平な生活ができるようになるための、重要な手当です。

今消防士(他の地方公務員を含む)を目指そうとしているけれど、生活水準が気になってどの地域で働こうか迷っている人は、この記事を参考にして、今後の不安を少しでもなくせるとよいですね。

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この記事を書いた人

【経歴】
株式会社dcn 代表取締役社長
東消塾 代表 
Mindset Professional Coach
元東京消防庁職員

【目的】
東京消防庁の受験生のために
" 挑戦できる環境づくり "をして
最高な人生を歩むための
" ターニングポイント "となる

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