

消防士になるためのオンラインスクール「東消塾」の講師と代表を務めるTOMO LABOです。
「東京消防庁の試験って、文系だと合格しづらいの?」
「できる限り理系の問題を避けて合格したいと思っている」
と、思っている人はいませんか?
実は東京消防庁の筆記試験では、試験の配点傾向を分析できれば、ある程度は苦手な分野を避けて合格できます。
そこで本記事では、東京消防庁の教養試験の配点や、文系・理系別の試験対策法について解説していきます。
効率的に勉強を行い、最小限の力で最大限の効果を出したい人は、ぜひ最後までご覧ください。
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消防官採用試験の難易度


消防官採用試験の難易度は、公務員試験の中でも非常に高いです。公務員試験は消防官のような公安系だけでなく、市役所など地方公務員の行政職や国家公務員試験なども含まれます。
消防官採用試験の難易度を把握するためには、他の公務員試験の難易度も併せて確認しておくことが大切です。各公務員試験において、代表的な公務員試験を例に出して、以下の表に合格倍率をまとめました。
公務員試験の種類 | 採用区分 | 対象年度 | 合格倍率 |
---|---|---|---|
東京消防庁採用試験 | Ⅲ類 | 令和6年度 | 6.6倍 |
警視庁採用試験 | Ⅲ類 | 令和6年度 | 5.5倍 |
自衛官候補生採用試験 | 陸海空合計 | 令和6年度 | 6.2倍 |
東京都庁職員採用試験 | Ⅲ類 | 令和6年度 | 3.1倍 |
国家一般職採用試験 | 高卒程度 | 令和6年度 | 3.1倍 |
参考:採用案内(警察官) | 採用情報 | 令和7年度警視庁採用サイト
参考:資料68 自衛官などの応募と採用状況
参考:令和6年度職員採用試験(選考)実施状況
参考:国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)区分別実施状況 2024年度
上記の表は、各公務員試験におけるⅢ類(高卒程度)の合格倍率を比較したものですが、国家公務員と比較しても東京消防庁採用試験の倍率の方が高いです。年度によっては、10倍を超える年もあるため、適切な対策方法を知っておく必要があります。



Ⅰ類で比較すると難易度も異なるため、気になる方は各ホームページを調べてみてください!
東京消防庁の教養試験の配点について


まず始めに、東京消防庁の1次試験における鬼門「教養試験」の配点についてご紹介します。
教養試験の問題数は全45問ですが、その内訳を以下にまとめました。
東京消防庁採用試験における教養試験の配点(2022年1類1回目) | |||
---|---|---|---|
判断推理 | 6問 | 文章理解 | 5問 |
空間概念 | 0問 | 英文理解 | 3問 |
数的推理 | 4問 | 人文科学 | 5問 |
資料解釈 | 5問 | 社会科学 | 7問 |
自然科学 | 10問 | 合計点:45点 |
東京消防庁採用試験における教養試験の配点(2022年1類2回目) | |||
---|---|---|---|
判断推理 | 4問 | 文章理解 | 5問 |
空間概念 | 2問 | 英文理解 | 3問 |
数的推理 | 4問 | 人文科学 | 5問 |
資料解釈 | 5問 | 社会科学 | 7問 |
自然科学 | 10問 | 合計点:45点 |
上記の出題結果を見て分かるとおり、理系科目から25点分、文系科目から20点分出題されています。
理系科目のほうが配点は多いですが、「理系の方が有利だ!」と決めつけてはいけません。
文系でも解きやすい理系問題がある
理系分野からの出題が多くても、文系出身者が焦る必要はありません。
それは、以下のような文系でも解きやすい理系問題があるからです。
- 「判断推理」
法則性がある問題なので、解法さえ理解できれば誰でも短時間での回答が可能。 - 「資料解釈」
計算問題だが、ザ・理系科目である「数的推理」と比べて簡単な計算ばかり。
理系科目の中でも、上記2科目でしっかりと点数を取れれば、文系であろうと点数の取りこぼしが少なくなります。



どちらの科目も読解力が試される部分もあるため、文系でもそこは有利に働くはず!
逆に理系が解きやすい文系分野もある
「理系出身だから、文系問題は苦手…」という人でも、「社会科学」なら点数を稼ぎやすいことを知っておきましょう。
「社会科学」の問題内容は、法律・政治・経済・社会の4教科です。
しかし各科目ごとの出題範囲は非常に狭く、傾向と対策が練りやすいため、理系科目でも優先的に取り組むことで得点源になります。



7点中5点取ることも全然できますよ!文系科目を毛嫌いしている理系出身者は絶対にチェック!
東京消防庁では自然科学からの出題が多い
他の市町村の消防本部と比べ、東京消防庁の採用試験では、「自然科学」からの出題数が多いのが特徴です。
「自然科学」の問題内容は、数学・物理・化学・生物の4教科で、中でも数学の配点が高く設定されています。
とはいえ出題範囲はそこまで広くないため、得点源にするためにも優先的に勉強しておきましょう。



実は他の消防本部では、「自然科学」からは6点程度しか出ません。
以上を踏まえて、実際に過去問を解いてみることが教養試験の得点アップへの近道です。東京消防庁採用試験(Ⅲ類)の過去3年分の過去問は、以下の表を参考にしてください。
また、消防官採用試験に合格するためには、論作文試験対策や面接試験対策も重要です。そのため、Ⅰ類とⅢ類の試験全般における過去問について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。


文系・理系がそれぞれ優先するべき科目を紹介


ここでご紹介するおすすめの科目に関しては、各々の得意不得意があることから、一概に全員に当てはまるわけではありません
しかし、勉強する科目の優先順位を決める際の1つの基準として、ぜひ取り入れてみてください。
文系出身者が優先するべき科目
先程の章で少し触れた部分もありますが、文系出身者が優先して勉強したい科目とその理由は以下の4科目です。
- 文章理解
-
文系なら絶対に落としたくない科目。配点が高く、難易度もやや低め。真っ先に取り組みたい。
- 社会科学
-
毎年の出題範囲がほぼ決まっているため、傾向をつかめれば簡単に満点が取れる。全問正解を目指したい科目。
- 判断推理
-
前述のとおり、問題の法則性さえ理解できれば簡単に回答できる。試験対策の前半でマスターしておきたい科目。
- 資料解釈
-
理数系科目の中でも比較的簡単な計算問題が多いため、努力すれば満点が取れる科目。とはいえ解くのに時間がかかるため、試験本番では時間配分に注意したい。
理系出身者が優先するべき科目
- 数的推理
-
文系が1番苦労するであろう科目だが、理系にとっては得点源。文系科目の勉強時間を確保するためにも、試験勉強開始すぐに対策を始めたい。
- 判断推理
-
算数や論理パズルのような問題なので、ロジカルに考えるのが得意な理系にとっては簡単。加えて解放を知れば短時間での回答が可能なため、比較的優先順位は高め。
- 自然科学(数学)
-
数学的な計算の難易度は高めだが、数学の勉強は他の科目である「数的推理」の対策にも繋がるため、理系なら対策する優先度は高め。
- 資料解釈
-
計算問題の難易度が低めなので、理系なら満点が取りやすい。前述のとおり、試験当日の時間配分には注意が必要。
- 文章理解
-
理系にとっては苦手分野になりがちだが、配点が高いため、高得点を狙うなら対策は必須。他の文系科目よりも先に手を付けたい。
消防官採用試験の合格ラインは?


消防官採用試験の合格ラインは、全体の6〜7割程度とされています。なぜ大体の数値かというと、明確な合格ラインは公表されていないからです。
もちろん、6〜7割程度できていても、必ず合格できるわけではありません。受験した消防本部の倍率や求められるレベルによっても合否が異なります。
ただ、全体の8割や9割または全問正解を目指す必要はありません。8割以上の正答率を目指そうとすると、対策する範囲が膨大になりすぎてしまい、他の試験対策が疎かになってしまいます。
消防官採用試験に合格するためには、教養試験に加えて論作文試験や面接試験の対策も重要です。そのため、最低限の合格ラインは確実に取れるような対策を進めることをおすすめします。



各消防本部採用試験の正確な合格ラインを知りたい方は「東消塾」のように過去の受験者のデータがある予備校を活用するのがおすすめです!
各試験における合格倍率


消防官採用試験に合格するためには、全体の合格倍率だけでなく各試験がどの程度の倍率となっているのかも理解しておく必要があります。消防本部によって倍率の違いはありますが、東京消防庁を例にすると各試験における合格倍率は以下のようになっています。
区分 | 一次受験者数 | 一次合格者数 | 一次試験倍率 | 二次受験者数 | 最終合格者数 | 二次試験倍率 | 最終倍率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
専門系 | 39 | 28 | 1.4 | 24 | 8 | 3.0 | 4.9 | |
Ⅰ類 | 1回目 | 2,376 | 965 | 2.5 | 878 | 428 | 2.1 | 5.6 |
2回目 | 1,192 | 195 | 6.1 | 180 | 106 | 1.7 | 11.2 | |
Ⅱ類 | 休止 | 休止 | 休止 | 休止 | 休止 | 休止 | 休止 | |
Ⅲ類 | 2,500 | 915 | 2.7 | 703 | 379 | 1.9 | 6.6 | |
合計 | 6,107 | 2,103 | 2.9 | 1,785 | 921 | 1.9 | 6.6 |
以上は、令和6年度の東京消防庁採用試験の結果をもとに算出しています。各試験の合格倍率をもとに、試験対策でどんな点に注意すべきなのかを確認しておきましょう。



倍率次第で一次試験と二次試験のどちらに力を入れるべきかも判断できます!
一次試験(教養試験+論作文試験)
東京消防庁採用試験を参考にすると、一次試験の合格倍率は約2.9倍となっています。専門系やⅢ類が平均よりも若干低いのに対し、Ⅰ類2回目の合格倍率が非常に高いのが特徴です。
一次試験では、この記事の前半で解説した配点をもとに、全体の6〜7割程度を取れるように対策しましょう。配点の高いものを確実に取れるように対策することで、安定して得点を取ることが可能です。
また、一次試験では論作文試験も非常に重要です。教養試験で高得点を取れても、論作文試験でミスが多いと不合格になるため注意しましょう。
論作文試験対策について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。


二次試験(面接試験+体力検査)
東京消防庁採用試験を参考にすると、一次試験の合格倍率は約1.9倍となっています。これは一次試験の合格倍率よりも低い数値であり、二次試験よりも一次試験の方が難しいということです。
しかし、人によっては「二次試験の方が難しい」と感じる方も多いです。二次試験で行われる面接試験には、正解がありません。教養試験のように勉強した分だけ点数に繋がるわけでもないため、効果的な対策ができない方もいます。
そのため、教養試験対策に余裕のある方は早めに面接試験対策を行うのがおすすめです。消防官採用試験の面接試験に関して詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。


教養試験の配点と文系・理系別の対策法についてのまとめ
教養試験において、文理の違いで知っておきたいことのまとめです。
- 教養試験では理系科目が25点、文系科目が20点の計45問が出題される
- 文系が優先して勉強したいのは「文章理解」「社会科学」「判断推理」「資料解釈」
- 理系が優先して勉強したいのは「数的推理」「判断推理」「資料解釈」「文章理解」
東京消防庁は競争率が高く、特に教養試験はしっかりと対策を練る必要があります。
そこで大切なのは、勉強する優先度。
文系・理系で得手不得手が分かれる教科もありますが、どの教科を優先して対策するのかで、他の受験者に大きく差をつけられます。
今回の記事を読んだことをキッカケに、ぜひ効率的に試験対策をしてみてください。



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