消防士になるためのオンラインスクール「東消塾」の講師と代表を務める友口です。
消防士を目指すうえで、どのくらいボーナスがもらえるかは誰もが気になりますよね。
経済面を考えることはとても重要で、キャリア形成や試験勉強に対する動機づけにも繋がります。
本記事ではそんな消防士のボーナスについて、以下のことについてまとめました。
消防士のボーナスがいくらかを理解して、将来に向けての明確なビジョンを持ちましょう。
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消防士の平均年収はいくら?
消防士の平均年収は消防本部によって異なります。全国の消防士を対象とした年収は総務省消防庁を中心とした各府省が公開しているため、誰でも平均年収を把握できます。
ボーナス額の前に、そもそもの消防士の平均年収を理解しておきましょう。
平均年収は意外に〇〇かも?
大卒・高卒別の初任給
同じ消防署本部に勤務していても、採用試験の区分によって初任給は異なります。東京消防庁の場合、消防士の区分は以下の3つに分かれています。
- 専門系:法律や電気・通信など専門知識を保有している人を対象とした試験
- Ⅰ類:大学卒を対象とした試験
- Ⅲ類:高校卒を対象とした試験
近年、東京消防庁ではⅡ類の試験は行われていません!
また、以下は東京消防庁の公式サイトをもとに各区分における初任給をまとめた表です。
区分 | 給与 (地域手当込み) |
---|---|
専門系採用者 | 約276,200円 |
Ⅰ類採用者 | 約269,500円 |
Ⅲ類採用者 | 約232,000円 |
専門系とⅢ類では、初任給だけで約4万円の差があります。初任給だけでなく、今後のキャリアを考えるとⅢ類よりもⅠ類や専門系の方が年収が高くなる可能性があることを理解しておきましょう。
ボーナス以外に貰える諸手当
消防士の給与は基本給に加えて、様々な手当てが支給されます。なぜなら、現場によっては命の危険を伴うこともあるからです。危険な現場に出向いたり危険な作業をするほど、手当てが付く可能性があることを理解しておきましょう。
ボーナスを含め、消防士が受け取れる手当の種類は以下の通りです。
- 【期末手当】
ボーナス・賞与のこと - 【勤勉手当】
業績・功績に応じて支給 - 【住居手当】
家賃の半額を超えない範囲で、約25,000円前後支給 - 【通勤手当】
通勤にかかる費用の支給 - 【出動手当】
出動回数に応じて支給 - 【救出救助手当】
救急活動等に応じて支給 - 【管制手当】
総合指令室での勤務に応じて支給 - 【夜間緊急招集手当】
正規の勤務時間外での業務に応じて支給 - 【査察業務手当】
消防総監が指定する消防対象物での検査業務に応じて支給 - 【火災調査手当】
危険な火災現場での調査に応じて支給 - 【高所活動危険手当】
はしご車での高所活動に応じて支給 - 【ヘリコプター従事手当】
ヘリコプターの搭乗に応じて支給
ただ、手当ての種類は消防本部によって異なります。例えば、12の「ヘリコプター従事手当」は、ヘリコプターを所有していない消防本部では手当自体がありません。
手当に関しては「特殊勤務手当」と呼ばれています!
消防士の年収に関してより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
消防士のボーナスはだいたいいくら?
消防士のボーナスは、月給のおよそ2.2〜2.3ヶ月分が夏(6月30日)と冬(12月10日)の2回にそれぞれ貰えます。
ボーナスの基準や今後の増加幅の目安となるよう、東京消防庁の令和5年度における平均初任給(地域手当含む)を以下にまとめました。
- Ⅰ類(大卒程度):約269,500円
- Ⅲ類(高卒程度):約232,000円
東京消防庁は消防士のなかで全国トップクラスの給料です。
政令指定都市・都市部の消防本部ならそこまで差はありませんが、田舎の消防署ではさらに給料が低くなります。
東京消防庁の初任給を基準にし、消防士のボーナス支給額をまとめました。
採用区分 | Ⅰ類(大卒程度) | Ⅲ類(高卒程度) |
夏のボーナス(2.2ヶ月) | 約570,460円 | 約487,960円 |
冬のボーナス(2.3ヶ月) | 約593,390円 | 約510,140円 |
ちなみに初めてボーナスを貰えるのは消防学校在学時で、採用されて2ヶ月ほどしか経っていないため満額ではなく、貰えて10万円程度になるでしょう。
もちろん上記は概算で、もっと支給額が低くなる可能性がありますのでご注意ください。
ざっくりの年収にすると、大卒で約420万円、高卒で約370万円くらいですね。何度も言いますが、地方ではもっと低くなります!
基本的な知識をもとに、以下のことについてより詳しく見ていきましょう。
消防士の平均ボーナス支給額(地域分類別)
消防士の平均ボーナス支給額を平均基本給とともに、地域分類別にご紹介します。
- 全地方公共団体
平均基本給月額:337,309円
平均ボーナス額:1,521,164円 - 都道府県
平均基本給月額:391,722円
平均ボーナス額:1,764,100円 - 政令指定都市
平均基本給月額:354,154円
平均ボーナス額:1,575,616円 - 市
平均基本給月額:331,807円
平均ボーナス額:1,511,076円 - 町村
平均基本給月額:303,485円
平均ボーナス額:1,381,397円
上記の値はすべて、総務省が令和4年に実施した「地方公務員給与実態調査」を参考にしました。
ちなみに、平均基本給月額=給料月額+扶養手当+地域手当、ボーナス=期末手当+勤勉手当です。
ボーナスは基本給をベースに算出されるため、扶養家族が多かったり、地域手当の高い地域で勤めていたりすることで高くなっていきます。
一点注意したいのが、平均額は新卒からベテラン職員まで全職員の平均値であるという点です。若手はこんなに貰えません!
他の地方公務員との差は?
消防士は他の地方公務員と比べ、どのくらいボーナスに差があるのかをまとめました。
先ほどと同じく総務省が令和4年に実施した「地方公務員給与実態調査」を参考に、全地方公共団体の値から出しています。
消防士とその他地方公務員の平均ボーナス
- 消防士:1,521,164円
- 警察官:1,638,063円
- 小中学校教職員: 1,686,061円
- 一般行政職:1,559,968円
一般行政職とは、役所で働く一般的な職員のことを指します。
上記の平均値を見ると、消防士はボーナスが低いことにビックリする人も多いのではないでしょうか。
一見すると低いように思いますが、実は消防士は1ヶ月に11日前後しか出勤しないため、労働日数から考えるとむしろよく貰えていると感じます。
消防士の休日や年収に関しては、以下の記事も併せてご覧ください。
【東京消防庁OB体験談】年収やボーナスが低いとは感じなかった理由
私は東京消防庁OBで消防士をしていましたが、年収やボーナスが低いとは感じませんでした。なぜなら、以下3つの理由があったからです。
- 東京消防庁は比較的年収やボーナスが高いから
- 休日や福利厚生を考えれば妥当だと思ったから
- そもそも人助けを前提としているから
東京消防庁にしかない理由もありますが、どの消防本部でも当てはまるものもあります。そのため「東京消防庁じゃないとだめだ」と考えるのではなく、消防士の年収やボーナスが低くないと言える理由をしっかりと理解することが大切です。
警察官や国家公務員と比較して低いと感じる方もいるようですが、消防士にしかない魅力もあるんです!
東京消防庁は比較的年収やボーナスが高いから
消防士の年収やボーナスが低いと感じなかった1つ目の理由は、東京消防庁は比較的年収やボーナスが高いからです。例えば、初任給が良い例となります。東京消防庁と一般的な企業の初任給との違いは、以下を参考にしてください。
区分 | 東京消防庁初任給 (地域手当込み) | 一般企業の初任給平均 |
---|---|---|
Ⅰ類採用者 (大卒程度) | 約269,500円 | 約210,200円 |
Ⅲ類採用者 (高卒程度) | 約232,000円 | 約167,400円 |
以上のことからも、東京消防庁の平均年収も比較的高いことがわかります。東京消防庁は、他の消防本部のように各市町村ではなく、東京都23区が管理している消防本部です。そのため、財源も比較的多く年収やボーナスにも反映されやすいです。
地方の消防本部だともう少し年収やボーナス、初任給が低くなる可能性があります!
休日や福利厚生を考えれば妥当だと思ったから
消防士の年収やボーナスが低いと感じなかった2つ目の理由は、休日や福利厚生を考えれば妥当だと思ったからです。
消防士は急な災害出動に備え、24時間消防署に待機しています。交代はなく、24時間仕事したら次の日は非番となります。そのため、1日仕事をして1日休みとなり、消防本部によってはその次の日も休みです。
一般的な企業と比較しても、休日がかなり多いのが特徴です。具体的な休日サイクルに関しては、以下の記事を参考にしてください。
また、福利厚生も充実しています。ボーナスはもちろんのこと、住宅手当や通勤手当、社会的信用の厚さもトップレベルです。年収やボーナスの金額だけを見ると低いと感じる方もいますが、休日や福利厚生も含め総合的に判断すると妥当な金額だと言えます。
休みや待遇を重視したい方は、かなり良い職場だと感じるかもしれません!
そもそも人助けを前提としているから
消防士の年収やボーナスが低いと感じなかった3つ目の理由は、そもそも人助けを前提としているからです。消防士は、誰かの命を救う仕事であり、お金には代えられません。人助けをするために消防士になったのだから、年収やボーナスが低くても気にならないという方も多いです。
また、人助けによって市民の方々から感謝されることもあります。お金よりもやりがいを重視する方は感謝されることがやりがいに繋がり、年収やボーナスが低いとは感じづらいです。
誰かの命を救い役に立てるなら、年収やボーナスが気にならないという方もいます!
消防士が貰えるボーナスを高くする方法
ボーナスを少しでも多く貰いたいと思ったら、以下の3つの方法を取りましょう。
お金を含めたキャリア形成を考えたい人は、ボーナスが上がるような働き方を心がけましょう。
都市部の消防本部に勤める
当たり前ですが、通常の市町村よりも人口の多い都市部のほうが事故・災害数は増えるため、仕事も忙しくなります。
そのため、ボーナス・基本給が高くなるのは必然です。(地域手当も増える)
仕事は大変かもしれませんがスキルや知識も身につきやすく、やりがいも見つけやすいでしょう。
ただ、都市部の消防本部は倍率も高くなるため、それ相応の試験対策が必要になります。
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勤続年数を増やして昇任していく
消防士は勤続年数が増えると昇給していきます。
さらに、年に一度ある昇任試験に合格して昇任すればその分給料が増え、ボーナスも上がるでしょう。
学歴を作るのは大変ですが、大卒程度の区分で採用されるのもおすすめです。
上級の採用試験を受験する
上級の採用試験を受験することで、そもそもの基本給を上げることができます。基本給が上がれば、年収やボーナスも上がります。
記事の前半で、東京消防庁のⅠ類とⅢ類では初任給に約4万円の違いがあることを解説しました。年間にすると約50万円であり、長年勤務すればかなり大きな差になります。
ただ、Ⅰ類は受験するために大卒以上でなければならず、試験の難易度も高いです。そのため、消防士採用試験を受験する前にどの区分を受験するのかと区分別に必要な条件を確認しておきましょう。
ボーナスだけではなく、試験難易度も重要な判断指標です!
まとめ:消防士のボーナスを高いと感じるかどうかは人それぞれ
消防士のボーナスについてのまとめです。
- ボーナスの平均額は、東京消防庁の若手消防士のⅠ類で約570,460円、Ⅲ類で約593,390円
- 田舎と比べて都市部のほうがボーナスは高い
- 他の地方公務員と比べてボーナスが低く感じるが、勤務日数を考えると実は高い
消防士は地方公務員ですので、一般企業の平均給与・ボーナスと比べたら高いほう。
上記のとおり他の地方公務員と比べたら低いですが、仕事内容を含めると、ボーナスを高く感じるか低く感じるかは人それぞれでしょう。
他の人よりも多くボーナスを貰いたいと考えている人は、筆者も以前勤めていた東京消防庁がおすすめです。
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